選挙:天理市長選 告示 新人3人が激突 /奈良

毎日新聞 2013年10月14日 地方版

 任期満了に伴う天理市長選は13日告示され、前県議の藤本昭広氏(67)▽元外務省職員の並河健氏(34)▽元市商工会専務理事の沢田昌久氏(57)=自民推薦=の無所属新人3人が立候補を届け出た。3期務めた南佳策市長(76)は引退を表明。12年ぶりの新リーダーを決める選挙戦が始まった。投開票は20日。

 財政硬直度の指標・経常収支比率(2012年度)が100・5%と県内市町村で最悪の天理市。人口減少と高齢化も進む中、地域活性化、行財政改革、福祉施策、家庭ごみ有料化問題などを巡り舌戦が繰り広げられる。

 藤本候補は278票差で敗れた12年前以来2度目の挑戦。豊富な経験と知名度を生かした戦いを展開する。

 並河候補は昨年の衆院選では日本維新の会公認で落選。南市長の支援を受け、市政の継承・発展を訴える。

 沢田候補は地元生まれを強調し、自民推薦を全面に打ち出して戦う。13日は石破茂幹事長も応援に訪れた。

 12日現在の選挙人名簿登録者は5万2808人(男2万5471人、女2万7337人)。【熊谷仁志、釣田祐喜、小坂剛志】

 ◆立候補者第一声(届け出順)

 ◇苦しむ人助ける市政に−−藤本昭広氏(67)=無新

 優しさとぬくもりのある市にしたい。一人暮らしの高齢者や障害者、母子家庭といった苦しい思いをしている人たちを吸い上げないといけない。無駄な公共事業を1割減らし、子育てや高齢者にお金を回す。公共事業中心の市役所か、社会的に苦しい思いをしている人を助ける市政にするのか。二つに一つを選ぶ選挙だ。

 ◇共に汗かき豊かさ発掘−−並河健氏(34)=無新

 10年後、天理に住み続けて本当に良かったと思っていただける街を皆様と共につくっていきたい。財政は決して楽ではないが、地に足の着いた議論を県とも国ともしっかり進める中で活性化を果たしたい。どこまでも皆様と共に汗をかいて、天理市の豊かさを掘り起こし、磨き、全国に発信し、天理の名前を輝かしていきたい。

 ◇働き消費する街を実現−−沢田昌久氏(57)=無新

 まず産業活性化に取り組みたい。商工会専務理事の経験を企業誘致に反映させる。自民党との強いパイプを生かし、働く街、つくる街、消費する街天理を実現していく。団塊世代を中心に子育てサポーターを養成し、地域で子どもたちを守る。健全な成長を守る。命を運ぶ道路建設に力を入れ、災害に強いまちづくりを目指す。

最新写真特集