イランを旅行中の韓国人がスパイ容疑で逮捕され、一審の裁判で懲役7年の実刑判決を言い渡されていたことが明らかになった。韓国野党・民主党の朴炳錫(パク・ピョンソク)議員が14日、外交部(省に相当)に対する国政監査で公表し、同部はこれを認めた。
外交部によると、イラン当局は昨年10月、同国の警察署や大使館、軍部隊、国境標識などを撮影し、外国の政府に渡そうとしたとして、韓国国籍のAさん(44)を逮捕。11カ月後の今年9月、一審で懲役7年の判決を言い渡した。Aさんはすでに控訴している。
イラン政府はAさんの逮捕から75日後、ようやく韓国外交部にこれを伝えたという。政府の関係者は「(逮捕が伝えられた直後からこれまでに)Aさんと7回の領事面会、1回の弁護士面会を実施した」としているが、朴議員は「両国の局長クラスが(交渉のために)会談したのは逮捕から9カ月後だった」とし、高官クラスが釈放交渉に乗り出すべきだと主張した。
中東を旅行中だったAさんは昨年10月初め、近隣国から3カ月の観光ビザでイランに入国した。特に職に就いておらず、普段から奥地への旅行や写真撮影を楽しんでいたとされる。Aさんは収監された後、韓国の外交官らと面会した席で、スパイ容疑を強く否認したとのことだ。
外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は「駐韓イラン大使を数回にわたり呼び出し、迅速な釈放と弁護士の選任支援、そのほか必要な領事支援を要請した」と答弁した。これまでAさんの事件を公表しなかったのは「家族の希望があったため」だという。
韓国政府によると、Aさんは英国への留学経験はあるものの、韓国や他国の政府機関などに勤務した経歴はないという。それにもかかわらず、イラン側が懲役7年という重い刑を言い渡したことに疑問を呈する声も出ている。