土
30
6月
2012
昨年、つながり後援会ひだまりの学習会で、北摂杉の子会ジョブサイトひむろ施設長の平野貴久さんからお話を伺ったケアホームが完成したというので、まずはつながり後援会&家族会ひだまりの役員10名が見学に寄せてもらいました。
4月1日にオープンした木造平屋建ての建物3棟が、裏に田んぼが残る奈佐原の500坪ほどの広い敷地に建てられ、棟毎に利用者に合わせた空間設計になっていました。
真ん中の棟に案内され、管理責任者となった平野さんよりレクチャーを受けましたが、この棟の利用者は人との関わりをあまり嫌がらない方で、木の香りが真新しい開放的な造りとなっていました。
昨年春に入所を希望する20名が仮契約し、個別の事情に合わせた部屋の仕様が考えられており、聴覚過敏の方は防音材を壁に入れまた 遮光カーテンをするなど、随所に落ち着いてすごせる工夫が施されていました。
建築資金については、1億6000万円で、土地は3年契約の 借地とのことでした。 ひとりひとりの自己資金ー寄付金の額については明言をさけておられましたが、
障害年金を何年か貯めれば、何とかなるようです。
入所してからは、月々の家賃(食品費、水光熱費、日用品費、それに借入金の15年返済を20人で割った額)とお小遣いも含めてが、年金の範囲内で済むのだと聞き驚きました。
利用者の年齢は、現在は 21才から51才で30代が多く、平均年齢31歳ですが、病院への入院以外はずっとここで過ごせる生涯の居場所となります。
職員配置についても、障害区分が高い方が多いので、現場の職員が抱え込まないでいい体制が組めているとのことでした。全体のサービス管理責任者に各棟に一名ずつフリーの正職員が配置され、朝夕の忙しい時間帯に重点的に嘱託さんが入り、泊まりは各棟一名、他に看護士などの配置もあり、日中ジョブサイト氷室に通うことができない場合も対応しておられました。
職員数が手厚く配置されていても、土日帰宅される方、 土曜帰宅し日曜日に帰って来る方、帰られない方など、 利用率が79パーセント(すなわち292日利用日数あり)経営的にはいけているとのことでした。
写真をクリックしていただくと、簡単な説明があります↓
どの棟も両サイドに風呂・洗面所・トイレがあって、お互いの動線が重ならないよう、左右に散るように配慮されていました。
各棟に簡単な朝食を提供する台所はありますが、中央の棟の台所では、調理師が業務スーパーで食材を購入して月曜日から金曜日までの食事が提供されており、大変美味しいそうです。土日はスタッフと一緒にカレーやハヤシライスを作ったり、パン食で済ませているとのこと。洗濯はジョブサイト氷室で仕事としてやっており、掃除などは合い間にするなどして、スタッフの家事軽減をうまくはかってられるようでした。
特に、 3番館は重度の知的障害のある自閉症の方を対象にした棟で、4名のエリアとは別に、別の表玄関から直接入れるようにした2名のエリアがあり、2名の方だけの居間がもうけられていました。
4名の方の居間にも、割れないガラスポリカーバネイトの他、テレビのケースも壊れない頑丈なものを別注するなど、自傷行為で怪我されないような造りになっており、人との関わりにおいて大変重い自閉症の方でも比較的穏やかに過ごしておられるという説明に納得させられました。
居室は、7.5畳位の広さで全室床暖房がされているとのことですが、感心させられたのは、スタッフとのコミュニケーションで余計なパニックをおこさないよう、個別のコミュニケーションツールが考えられていて、次に何をしたらよいのかー一日の行動がカードや実物で示せるようにしてあることでした。
入所から3ヶ月あまり、それぞれに過ごしやすく落ち着けるような雰囲気が感じられました。
しかしながら、現実に萩の杜にはまだ100名を超える方が待機してられ、こういったケアホームがあちこちにできる必要性を感じました。
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