台風26号の接近で、首都圏は15日から厳戒態勢となった。

　ＪＲ東京駅では仕事を切り上げて帰宅する人が目立った。勤務先から帰宅を指示されたという埼玉県川口市の男性会社員（45）は「週内に終わらせなければならない仕事があり、時間がないのに……」と顔を曇らせた。

　台風が最接近する16日朝の交通機関の混乱に備える動きも。東京23区内のホテルには15日午前から予約が殺到したとみられ、約3500室ある品川プリンスホテル（東京・港）も満室となった。

　23区を中心に約3200台のタクシーを走らせる日本交通（東京・北）は15日正午ごろ、ホームページに「明日午前は予約が埋まりました」と告知したが、通常の倍以上の問い合わせが続いた。

　小中学校は相次いで休校を決めた。東京都目黒区教委は区立小中32校の16日の休校を決定。都教委によると、都内の公立小中1917校のうち、15日午後２時までに709校が16日の臨時休校、648校が始業を遅らせることを決めた。

　空の便は15日、羽田発着便を中心に日本航空24便が欠航、全日空も22便が欠航した。16日は日航174便、全日空201便の欠航が決まった。

　自治体は被害情報の収集に追われた。東京都足立区や江東区はそれぞれ約40～50人の職員が泊まり込み、道路の冠水や倒木がないかパトロール。都は職員計240人以上が河川の水位や道路状況を監視した。