米国債:TBレートが上昇、債務協議難航で入札が不調
10月15日(ブルームバーグ):米国債市場では今月に償還を迎える財務省短期証券(TB)のレートが上昇した。週間のTB入札では応札が2009年以来の低水準にとどまった。財政問題行き詰まりの打開に向けた上院の取り組みが保留されており、デフォルト(債務不履行)懸念が高まった。
3カ月物TB入札(規模350億ドル)では応札倍率が09年7月以来の低水準となった。6カ月物TB入札(規模300億ドル)の応札倍率は09年10月以来の低水準。10月24日に償還を迎えるTBレートは発行以来の最高水準を記録。フィッチ・レーティングスは米国の「AAA」格付けをウオッチネガティブに指定。米財務省の緊急措置が尽きる前に、当局が適切なタイミングで債務上限を引き上げていないことを理由に挙げた。
BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニューヨーク在勤)は「緊張と政治リスクがTBレートを押し上げ、神経質さは短期債に表れている。市場はあらゆるニュースを織り込もうとしている。議会が合意するまで市場はもっと強く反応する必要があるのかもしれず、ボラティリティが高まっている」と指摘した。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回り は4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.73%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は11/32下げて98 1/32。利回りは一時2.74%と、9月23日以来の高水準を付けた。
TB10月24日償還のTBレートは20bp上昇の0.46%。一時は0.51%と、発行以来の最高水準を付けた。9月27日にはマイナスとなっていた。
3カ月物TBの入札では応札倍率が3.13倍と、過去10回の平均4.52倍を下回った。最高落札レートの0.13%は2011年2月以来の高水準となった。6カ月物TBの応札倍率は3.52倍。過去10回の平均は5.07倍だった。落札利回りは0.15%と、12年11月以来の高水準。
予算協議の行き詰まりでTB入札は2週連続で不調に終わった。
ジェフリーズの政府債エコノミスト、トム・サイモンズ氏は「TB入札はかなり不調だった。ワシントンで何らかの合意に至らない限り、TBの動きは引き続き荒くなり、入札は好調にはならないだろう」と語った。
上院指導部によると、政府機関閉鎖の解除とデフォルト回避に向けた上院での協議が保留状態になっているが、決裂はしていない。下院は対抗案を検討している。
上院と下院の対立リード民主党上院院内総務の広報担当、アダム・ジェントルソン氏は「下院の出方を見極める必要がある。下院案は失敗に終わるとみており、上院案が再浮上するだろう」と述べた。マコネル共和党院内総務の広報担当、マイケル・ブルーマス氏は、マコネル総務は交渉の場から立ち去っていないと主張した。
グッゲンハイム・セキュリティーズの米政府債トレーディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「問題はいつ合意に至るのかであり、景気や信頼感への悪影響がどうなるかだ。売りが出ても勢いは続かないだろう」と話した。
原題:T-Bill Rates Surge as Auction Demand Falls Amid BudgetImpasse(抜粋)
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更新日時: 2013/10/16 06:59 JST