◇楽天4−1オリックス
楽天の則本が5イニング無失点で15勝目。速球を軸に若手中心の相手を2安打に封じた。打線は3回に銀次の犠飛やジョーンズとマギーの連続適時打で3点を先制。6回は聖沢の中前打で加点した。オリックスは初登板のミルズが3回持たず。
◇
剛腕がうなる。CSファイナルステージ第2戦の先発が有力視される楽天の則本が、最高の結果で予行演習を終えた。5イニングを無失点。二塁を踏ませない好投で、パ・リーグの新人では1999年の松坂大輔(西武)以来となる15勝をマークした。
「10勝を達成した時点で、次の目標は15勝だと言ってきた。有言実行できて良かった」
直球を軸として攻め、習得中のフォークにも手応えをつかんだ。先発ローテーションを守り通した右腕は、お立ち台で安堵(あんど)感をにじませた。
試合が終わると、この日が31歳の誕生日のマギーにウイニングボールをプレゼント。すると、主砲からは「おめでとう」のメッセージが添えられて返ってきた。24勝無敗の田中と合わせ、球団創設1年目のチーム勝利数(38勝)を超える39勝。若き右腕の働きはチームの誰もが認めていた。
開幕投手に抜てきした星野監督も「これは立派。新人で15も勝つなんて、とんでもないこと」と称賛を惜しまない。田中に次ぐ存在として、ファイナルステージでは先発、救援のフル回転も期待されている。
「同じ新人には誰にも負けたくない」とシーズン中から意識してきた。セ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した小川(ヤクルト)の16勝には及ばなかったが、則本には日本一への挑戦権が残っている。「次の目標はCSで1勝」。有言実行のルーキーは、その視線を頂点に向けた。(井上学)
この記事を印刷する