◇CSパ・リーグ ファーストステージ<第2戦>西武15−0ロッテ
4回裏1死一、二塁、栗山が右越え3ランを放つ(佐藤哲紀撮影)
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西武が先発全員の20安打で15点を奪い、圧勝した。1回に栗山、浅村の連続適時二塁打で2点を先制。2回は片岡が2ラン、4回は栗山が3ランを放ち、5回も打者一巡で5点を加えた。岡本洋は二塁を踏ませず、散発6安打で完封。ロッテは松永が3回途中で5失点、2番手の藤岡も流れを止められなかった。打線は4併殺を喫する拙攻だった。
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満員御礼のスタンドで「チャンステーマ」が鳴りやまない。8回2死一、三塁で熊代が左越え2点二塁打。両リーグを通じ、プレーオフ新記録のチーム20安打目でスコアは15−0となった。1−11で惨敗した初戦から一転。「やられたらやり返す」というトレンドな勝負の鉄則で、西武がCSファイナルステージへ逆王手をかけた。
口火を切ったのは主将・栗山だ。「それぞれ不安を持って、重圧を感じながら…。みんなポーカーフェースで強がってた。僕は、左翼の守備位置に就いたとき、また明日もここでやりたい、と思った。それで落ち着いた」。負ければ終わるという決戦。1回1死二塁で左翼線へ貴重な先制二塁打を放った。
2回2死一塁からは、片岡がポストシーズン初アーチとなる中越え2ラン。これが3回途中での松永KOを呼び込んだ。相手の武器は主に直球とスライダー。ミーティングで「直球に絞り、差し込まれないタイミングで」という方針が徹底されていた。安部打撃コーチは「昨日(初戦)のロッテを見てね」と明かす。直球狙いで岸を攻略した相手打線から学び、得点と勢いまで強奪した。
栗山は4回にも3ラン。5回に先発全員安打を達成して5点を加え、2番手・藤岡も降板に追い込んだ。1〜5回の5イニング連続得点、1番ヘルマンの1試合4得点もプレーオフ新記録。4番浅村は同タイ記録の4安打で、パ・リーグ全日程終了で確定した自身初の打点王を祝った。
崖っぷちから破竹の連勝で、144試合目に2位を決めて臨んだCSだ。「昨日ああいう形でやられて、何とかやり返そうという気持ちが出たんじゃない?」。渡辺監督は標語の「骨太」を再びナインに見た。獅子は目覚めた。 (森淳)
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