◇CSセ・リーグ ファーストステージ<第2戦>広島7−4阪神
試合終了後、ライト位置の芝を触り、グラウンドを後にする桧山(梅津忠之撮影)
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今季限りで引退する桧山が、現役最終打席で虎の意地を見せた。万事休すの5点ビハインド、9回2死一塁。代打で登場すると、1ボールからミコライオの154キロ速球をフルスイング。虎党が席を立たずに残っていた右翼席に惜別のアーチを描いた。見事な2ランで、22年のプロ野球人生の有終の美を飾った。
「もう1回ああいう打ち方はできない。ボクにも野球の神様がいた。22年間やってきて1番、自画自賛のホームラン」
公式戦では2011年5月14日の中日戦以来、約2年4カ月ぶりのホームランに笑顔を見せた。チームはまさかの2連敗でCSファーストステージ敗退。怒り心頭のファンも、重々しい雰囲気のベンチも、代打の神様のラストアーチがせめてもの救いだった。
和田監督は「最後の打席、最後の1球まで全力を出そうとする気持ちを後輩たちに見せてくれた」と桧山に感謝した。現役最後の戦いが終わった桧山は「貢献できなかった悔しさもあるし、あとは後輩たちに託して。優勝できるように、ずっと外から見守って行きたい」と、後輩たちにエールを送って静かにバットを置いた。 (中谷秀樹)
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