◇CSパ・リーグ ファーストステージ<第3戦>ロッテ4−1西武
無情の打球が右中間へ抜けた。1点を追う8回1死一、三塁。西武・涌井が角中へ投じた直球は、外角へ外すはずが真ん中へ引っかかった。2点三塁打で1−4。一方が打ちまくった1、2戦から一転した接戦が、崩れた。
この回1死一塁でサファテに代え、クイック巧者の守護神・涌井。一塁走者岡田の足を警戒し「もう1点もやれない」と渡辺監督の継投に迷いはなかった。ところが二盗に炭谷の悪送球が絡み、岡田は三塁へ進塁。今江を歩かせた末、痛打を浴びた。続くサブローにストレートの四球で涌井は1死もとれないまま降板。ここから逆転は困難だった。
渡辺監督は「結果的にミスが出て、それが響いた」と悔やむ。守備だけではない。攻撃では1点を追う7回1死一塁、炭谷の投前バントが強く、二塁封殺で好機がしぼんだ。
シーズン最終盤の14試合を12勝2敗。破竹の連勝で144試合目で2位につけたドラマは、4年連続CS敗退で終幕した。主将栗山は「2位は胸を張っていいが、CSのチャンスをものにできなかった」と短期決戦でのもろさを課題とした。
「選手はよくやったと思うし、悔しいっちゃ悔しい。この悔しさを来季以降に生かしてほしい」と渡辺監督。チームは23日に西武ドームで秋季練習を開始。3年ぶりに宮崎・南郷での秋季キャンプも通じ、勝ちきれる集団を目指す。 (森淳)
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