明るい表情でシュート練習するチアゴ=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスの新人FWチアゴ・ペレイラ(19)に11日、ビッグなアピールチャンスが到来した。12日のFC岐阜との練習試合には出場可能なFWが3人しかおらず、これまでほとんどなかった長時間の出場機会を得る可能性が高い。この日の変則紅白戦でも主力組と見られるチームに入っており、岐阜戦でアピールに成功すれば、19日の仙台戦でのベンチ入りも見えてくる。
多士済々な今季の新人5人のなかで唯一公式戦出場がないチアゴに、ついに光が当たりそうだ。これまでは練習試合でも後半終了間際の途中出場ばかりなど、不遇とも言える扱い。FWとして必要な動きが身に付いていないことが大きな要因だが、最も試合から遠い存在だった。しかし岐阜戦に向けた前日練習ではFWが永井、矢野、チアゴの3人しかおらず、出場の大チャンスが到来。「出たい気持ちは半端ない」と目を輝かせた。
千載一遇だ。FW陣はケネディが豪州代表の活動、玉田が腰痛、高原が右膝痛、田中輝が親知らずを抜いた影響で岐阜戦出場を回避。さらに故障明けのMFダニルソン、DF増川、年代別代表のMF田鍋、望月、DF佐藤、ニッキも欠場するため、出場可能な選手は現在16人しかいない。このため9対9で行われた11日の変則紅白戦では、チアゴは主力組とみられるチームに入れられ、水を得た魚のように豪快なシュートを連発した。
これまでは日ごろの生活も含めてプロになりきれていなかった。それでもこの秋から一念発起。間食を止め、喜熨斗(きのし)フィジカルコーチに怒られて大好きなコーラも断った。「朝昼晩のご飯だけ。やせたけど体重は変わらない」。動きにキレが出てきたことで、主力と競り合える身体能力や意外性のあるシュートセンスなど、大器の片りんが見えつつある。
「今までイライラしたこととか、練習してきたこととか、ひとつになってぶつけたい」とチアゴ。優勝も降格もなく中ぶらりんのチームのなかで、誰よりもギラギラとした野心をたぎらせている。 (宮崎厚志)
【チアゴ・ペレイラ】 1994年4月30日、ブラジル、サンパウロ州サント・アントニオ・ド・アラカンガ出身の19歳。183センチ、78キロ。千葉・渋谷幕張高サッカー部の宗像マルコス監督のセレクションを受け、16歳で来日。パワーと明るさが持ち味の大型FW。
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