生レバー:提供容疑で焼き肉店経営者ら逮捕 京都府警
毎日新聞 2013年10月15日 13時40分(最終更新 10月15日 19時11分)
2012年7月から禁止されている牛の生レバー(肝臓)を生食用として客に提供したとして、京都府警は15日、京都府八幡市男山の焼き肉店「焼肉牛宗(ぎゅうそう)まるなか京都男山店」の経営会社、丸中精肉店(大阪市阿倍野区)社長、仲宗根(なかそね)孝之(53)=大阪市旭区新森5=と焼き肉店長、白滝信彦(45)=大阪府枚方市東山1=の両容疑者を食品衛生法違反(規格基準違反)容疑で逮捕した。生レバーを提供した店が摘発されるのは全国で初めて。
逮捕容疑は8月30日、男子高校生8人と引率の常連客の男性(26)に、コース料理の一部として生レバー166グラムを提供したとされる。実際に食べたのは6人で、数日後、生徒4人が食中毒症状を訴え、うち1人は1週間入院した。保健所は「因果関係は特定できなかった」としている。
府警によると、両容疑者は当時、焼き肉店で調理をしていた。仲宗根容疑者は「普段から従業員に『焼いて食べてください』と客に伝えるよう指導している」と容疑を否認。白滝容疑者は「常連客に生食用として出した」と容疑を認めているという。生レバーを給仕した従業員は「客に『焼いて食べて』とは言っていない。指導も受けていない」と話しているという。
経営会社のホームページによると、1958年に精肉店として創業。焼き肉店と精肉販売の本店(大阪市阿倍野区)のほか、八幡市と枚方市に焼き肉店があり、テレビ番組や雑誌にも取り上げられている。
11年に富山県などで起きた焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」での集団食中毒事件を受けて食品衛生法に基づく新たな基準が作られ、11年10月から生食用の牛肉(ユッケ、牛刺しなど)の調理方法などが厳格化された。生レバーは12年7月から販売、提供が禁止されている。【土本匡孝、村田拓也】
【ことば】牛生レバーの提供禁止