2013年9月18日(水)
東京・東京国際フォーラム
登壇者(敬称略):長澤まさみ、岡田将生、高良健吾、波瑠、中村蒼、新城毅彦監督

●ご挨拶

長澤まさみ(瀬戸カンナ役):私はこの「潔く柔く」という作品の大ファンだったのでまさか自分が“カンナ”を演じることになるとは思ってもみませんでした。作品が好きなだけに“カンナ”を演じることがとてもプレッシャーで、「私にできるかな」と思っていたのですが、共演者の皆さんの優しさと、一緒にいい作品を作ろうと一丸となって支えてくださったスタッフの皆さんのお陰で最後まで演じ切ることができました。本当に素敵な作品になっています。是非楽しんでいってください。

岡田将生(赤沢禄役):今日は来て頂いて本当にありがとうございます。いくえみ先生の大人気の少女漫画、“いくえみ男子”を演じさせて頂きました。一般の方たち向けの上映は初めてという事で、どう観られるか心配なのですが、あまり厳しい目で観ないで頂きたいと心の底から思っております(会場笑)。よろしくお願いします。

高良健吾(春田一恵役):自分は今年で26歳なんですがこの映画で15歳という役をやらせて頂いて、ちょっとあの頃に戻れた感じがしてとても楽しかったです。皆さんと地方での撮影で、冬だったのですが夏のシーンをやりました。でも映画を観たらちゃんと夏になっていたので、是非楽しんでください。

波瑠(川口朝美役):私もこの映画の出演が決まる前から「潔く柔く」という漫画を読んでいて、とても素敵な作品だなと思っていたので、出演が決まった時は本当に嬉しかったです。公開はまだ先ですが、こうして皆さんに観て頂ける日が来てとても嬉しく思っています。今日は楽しんでいってください。

中村蒼(真山稔邦役):今日はお越しくださいましてありがとうございます。僕も高校生を演じましたが、何度かご一緒した方々がいらしてのですごく楽しく撮影することができました。今日は映画を存分に楽しんでいってください。ありがとうございます。

新城毅彦監督:お忙しいところ、こんなにたくさんの人に来て頂いてありがとうございます。今回はいくえみ先生の作品、初の映画化ということでかなりプレッシャーがあったのですが、あまり余計なことを考えずにシンプルにやろうと思っていました。事前にスタッフともそういう話をしていて細かいところとか助けて頂きキャストに皆さんにも繊細な部分を演じて頂き、出来上がりに大変満足しています。今日、皆さんに初めて観て頂いてどのように思われるか不安もあります。いつも思うことですが映画を観終わった後に優しくなったり温かくなったりして帰ってもらえたら嬉しいと思います。楽しんでいってください。本当にありがとうございます。

●質疑応答

MC:完成した映画をご覧になっていかがでしょうか?

長澤まさみ:本当に温かくて、じーんときて、ちょっとほろっとするところもあって、ラブストーリーなのですが人の成長物語でもあって、私も自分を見つめ直してみようかなと考えさせられるような感じがしました。でも、終わった後はすごく穏やかな気持ちになる希望に満ち溢れている作品だなと思いました。

岡田将生:僕も温かい気持ちになりましたし、こういう恋愛映画は久々にやらせてもらったのですが、冷静に観ると結構恥ずかしいセリフを言ってたなっていうのが何ヶ所かありまして、なんか恥ずかしくなりました(笑)。

長澤まさみ:男の子からするともしかしたら少女漫画のセリフってちょっと恥ずかしいところがあるのかもしれませんね(笑)。

MC:女性はそういうセリフを言われると嬉しいですか?

長澤まさみ:そうですね。いくえみ先生の作品は本当にいいセリフが多いので、そのままのセリフが本編にも出てきたりするんですが確かに恥ずかしいセリフもありますね(笑)。

MC:高校時代の皆さんが非常にキラキラしていてとても印象に残っているんですが、高校時代を演じられてみていかがでしたか?

長澤まさみ:15歳を演じるということでかなりプレッシャーで、私は26歳で高良くんと同い年なんですけど、現場で高良くんが「大丈夫っしょ!」っ言ってくれたので、すごく自信が持てて「大丈夫だ自分!」って思いました(笑)。楽しみながらキラキラした青春時代を過ごしたいと思って演じていました。

高良健吾:「大丈夫っしょ!」って言ったのは、自分は15歳の頃の感覚がまだあるんですね。まるで変わっていない部分もあるし、見た目もそんなに変わってない気がしていて。だから、「大丈夫っしょ!」って言ったんです(笑)。

波瑠:私は高校時代を一緒に過ごしたメンバーがよかったというか、長澤さん、高良さん、中村さん、みなさん本当に楽しく雰囲気よく撮影できたので年齢のことは全然気にしてなかったです。

中村蒼:僕は制服を着たときに高校生に戻った感じがしました。みんなで楽しく話したり歩いたりするシーンはあまりセリフがちゃんと決まっていなくて、みんなで自由に話していいということだったので本当に自然に皆で楽しく高校時代を演じられたんじゃないかなと思います。

岡田将生:久々に学ランを着させてもらったんですが、衣装合わせの時に監督が学ラン姿の僕を見てクスって笑ったんですよ。僕が自信ないって言ってたのにそれでも笑う監督の心情がよく分からなかったです(笑)。

新城毅彦監督:
最近学ランが減ってきて、ブレザーの方がいいかと思ったんですけど、意外と似合うんですよ。似合うのがちょっとおかしかったんです(会場笑)。

MC:高校時代とそしてまた大人のシーンと撮影する上で工夫するところ、心がけたところはありますか?

新城毅彦監督:やっぱり高校時代あっての現代なので、一番大事なのは皆がやりそうでちょっとうらやましいくらいの仲間感というか空気感を出してもらいたくて。あと、現代との対比があるのでスタッフと相談して小物やロケ地を決めて、あと色を変えたりとかしてちょっと懐かしい感じにして現代に渡したいなと思って撮影しました。

MC:大人になったカンナと禄のシーンも好きなんですが、皆さん高校時代の恋と大人になってからの恋との違いみたいなものを感じることはありますか?


岡田将生:高校時代の頃は直球ではなくてちょっと甘い感じというか、アンニュイな感じというか...。手をつなぐにも3〜4時間くらいかかるというか...。そんなとこでしょうか(笑)。

長澤まさみ:10代の頃って本当に好きっていう意味がどこまで分かってただろうって思いますね。その時に感じた衝動のままに生きればいいんだと思うんですけど、本当の愛とか絆とかそういうものをちゃんと分かっていたのかなって思ったりはします。でも、人を好きになるのは今も昔も変わらないのかもしれないですね。

波瑠:私が今する恋が果たして大人の恋かどうかよく分からないのでちょっと難しいですが、もしかしたら学生時代の恋は自分がボロボロになっても結構がんばれるというか、今は自分のことを大事にできる恋がいいなと思うので。そういうことなんでしょうか(笑)。

中村蒼:僕は好きになる気持ちは大人も高校時代も変わらないと思うんですが、高校時代はその場が楽しければいいかみたいな、今を楽しむ感じで。大人はそれもありつつもっとお互いを尊重し合って、長く見据えてお互いを好きになっていくのかなと(笑)。

高良健吾:好きになる瞬間は昔から変わってないと思います。その後は結構変わったのかなと。

MC:映画『潔く柔く きよくやわく』では届けられなかった切ない思いが物語の大きな柱になっています。そこで、これまで誰かに伝えられなかった思いなどあれば教えてください。

中村蒼:たくさんありますよ。今もそうですけど前は特に上手く伝えられなかったので、もどかしい気持ちはたくさんありました。高良健吾さんが4歳年上なんですけど、ずっと“ため口”をきいてしまってごめんなさい(会場笑)。でもこれからも続けます(笑)。

高良健吾:僕、高校の卒業式の時に皆の前でなぜか挨拶しないといけなくて、皆の前に立った瞬間頭が真っ白になって、ポケットに手を突っ込みだして「いや、まぁ楽しかったけど…」って感じにふて腐れちゃったんですよ。本当はすごく「ありがとう」って言いたかったんですけど。

波瑠:中学校の時の担任の先生がいて途中で産休に入ってしまったんですけど、私がこういう仕事をしているのをすごく大きく受け止めてくれてて。学校の中ではあんまりそういう先生がいなかったから。そのまま私は卒業しちゃってちゃんと御礼とか言えなかったので言いたかったなと思いますね。

長澤まさみ:私も芸能界に入って事務所の皆さんに挨拶する場があって、そこで「これからお願いします」って言わなくちゃいけなかったんですけど、緊張で何て言っていいか分からなくなっちゃって泣き出しちゃったことがありました。ちゃんと「よろしくお願いします」って大きい声で言えてたらなって思います。

岡田将生:小学1年生から好きだった女の子がいまして、4年間好きだったのに「好き」って言えないまま転校することになって。ちゃんと言っておけば、もしかしたら何かあったんじゃないかなと。
●最後に長澤さん、岡田さんからメッセージ

長澤まさみ:本当に優しくて温かい映画になっています。色んな思いが詰まった作品です。是非堪能してもらえたらなと思います。楽しんで帰ってください。

岡田将生:僕自身この作品を観てすごく人と向き合って恋愛をしたいなと思うくらいとてもすばらしい映画になっています。ただの恋愛映画ではなく死というテーマもしっかりと描いている作品なので、2時間たっぷり楽しんでください。今日はありがとうございました。