サッカー元日本代表・前園容疑者、タクシー運転手に暴行で逮捕も「酒に酔って覚えてない」

暴行容疑で逮捕された前園真聖容疑者

　酒に酔ってタクシー運転手（４５）に蹴るなどの暴行を加えたとして、警視庁玉川署は１３日、元サッカー日本代表で解説者の前園真聖（まさきよ）容疑者（３９）＝東京都世田谷区等々力＝を暴行の疑いで現行犯逮捕した。「酒に酔っていて覚えていない」と供述している。

　逮捕容疑は１３日午前９時１５分頃、世田谷区の自宅近くの路上で、支払いを済ませずにタクシーを降り、呼び止めたタクシー運転手の顔を殴り、太ももを蹴った疑い。

　玉川署によると、前園容疑者は都内で飲酒しており、「等々力まで」と行き先を告げた後は車内で眠っていた。目的地に着き、運転手がドアを開けると、料金を払わずに下車。運転手も降り、「料金がまだですよ」と呼び止めると、右頬を拳で殴り、右太ももを蹴った。通行人が１１０番通報し、駆けつけた警察官が現行犯逮捕した。飲酒量は公表されていない。

　前園容疑者の所属事務所サニーサイドアップは「詳しい事実確認が取れていない段階だが、（容疑者）本人はこのような事態になってしまったことを猛省している、という弁護士からの報告を受けている」としている。同容疑者は１２日午後１１時からテレビ東京のスポーツ番組「ｎｅｏ　ｓｐｏｒｔｓ」に出演。日本代表が親善試合でセルビアに０―２で敗れたことに「ちょっと物足りない」などと指摘。「シュートの意識がなかった。打てるところで打っていない」と振り返り、攻撃的な姿勢の重要性などを熱く訴えていた。

　その後にマネジャーと別れ、酒を飲んだとみられる。１３日はオフだった。親しい関係者によると、前園容疑者は、普段はほとんど酒を飲まないが、当日は「友人と飲むと言っていた」という。テレビ番組収録でオランダに数日、滞在しており、１１日夜に帰国したばかり。同関係者は「時差ボケ状態が解消しないまま、番組に出演し、酒を飲んだのだろう」と、体調に問題があった可能性を指摘した。

　９６年のアトランタ五輪ではエースとして、強豪ブラジルを１―０で破る劇的な金星を挙げ、「マイアミの奇跡」と呼ばれる勝利に貢献した前園容疑者。解説者としては０６年Ｗ杯ドイツ大会、０８年北京五輪などを担当した。現場にも頻繁に顔を出し、精力的に取材活動をしていた。また、０９年に元日本代表のラモス瑠偉氏が監督を務めるビーチサッカー日本代表に招集され、現役復帰。同１１月のＷ杯で８強進出を果たした。

　５月２３日には、国立競技場で行われた元代表・藤田俊哉氏の送別試合に出場。また、１１月４日の元代表・三浦淳寛氏の引退試合の出場メンバーとしても発表されている。

　◆前園　真聖（まえぞの・まさきよ）１９７３年１０月２９日、鹿児島県薩摩川内市生まれ。３９歳。鹿児島実高を経て９２年にＪリーグ・横浜フリューゲルス入り（現横浜Ｍ）。ドリブルを武器に攻撃的ＭＦとして活躍した。９６年のアトランタ五輪では主将として中田英寿氏らとプレー。予選でブラジルを破る金星を挙げ「マイアミの奇跡」と呼ばれた。９６年にＶ川崎（現東京Ｖ）に移籍。その後は、ブラジル、韓国などでプレーした。代表通算１９試合４得点。１２年９月、Ｊリーグや代表の監督に必要な最上級指導者資格の公認Ｓ級ライセンスを取得。

（2013年10月14日06時05分スポーツ報知）