週プレNEWS 10月9日(水)10時10分配信
10月9日(水)から堺雅人主演のドラマ『リーガルハイ』(フジテレビ系)がスタートする。
大ブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)の終了から、わずか2週間。今はまだ、堺雅人=半沢直樹というイメージが強いだけに、『リーガルハイ』の主人公・古美門研介(こみかど・けんすけ)は、ファンの目にどう映るのか?
そもそも『リーガルハイ』とは、どんなドラマなのか。パート1を観ていない人のために、ドラマ評論家の木村隆志氏が解説する。
「半沢直樹は、銀行や金融界の内部や闇の部分を真っ向から描いた作品ですよね。そして善悪がはっきりと分かれていて、正義を貫く銀行員の半沢直樹が悪をやっつけるという勧善懲悪の物語。
一方、リーガルハイは法曹界が舞台で、毒舌で拝金主義者で性格の悪い弁護士・古美門研介が金と裁判の勝ち負けにこだわるコメディタッチの作品です。ドラマの中で古美門は『正義は金で買える』と断言していますから、半沢とはまったく逆の性格ですね。ちなみに今回のリーガルハイは、2012年の4月から6月に放送された『リーガル・ハイ』の続きで、パート2になります」
正義などどうでもよく、金と勝ち負けだけにしか興味がない古美門研介。“正義を貫く熱血でいい人”に慣れていた半沢直樹ファンには、真逆の古美門研介は受け入れられにくいのでは?
「それが半沢直樹と古美門研介は、一見、逆の人間のように見えますが、根本のところでは一緒なんです。半沢は“これが正義だ”と直接訴えますが、古美門は“正義とはなんなんだろう”と間接的に問いかけています。また、ふたりとも相手を負かすためにたたみかけて話すところも似ています。しかも、その語り口は古美門研介のほうが長く早口なので、半沢直樹しか見ていない人にとっては『古美門研介のマシンガントークはすごい!』と思うかもしれません」(前出・木村氏)
半沢直樹で爽快感を得ていた、あの相手をたたみかけて負かすような話し方はリーガルハイでも健在なのだ。また、共通点はそれだけじゃない。
「顔芸で魅せるところも似ているかもしれませんよ」と話すのはテレビドラマに詳しいコラムニストの今井舞氏だ。
「半沢直樹は眉間にシワを寄せたり、『倍返しだ!』と言いながらにらみつけたり、口をキッと結んだりする、いわば“硬”の顔芸です。一方の古美門研介は、顔がゴムでできているかのように変化して喜怒哀楽を表現する“軟”の顔芸です。コメディタッチなので、古美門の表情を見てるだけでもプッと笑える面白さがあります。それにどちらの作品も、顔芸を意識しているのか顔のアップは多いです」(今井氏)
真逆のキャラクターのように見えて、実は共通点も多い半沢と古美門。名優・堺雅人の演技にハマる人が、また続出しそうだ。
(取材/村上隆保)
■週刊プレイボーイ42号「『リーガルハイ』と『半沢直樹』の奇妙な共通点はこれだ!!」より
最終更新:10月12日(土)1時50分
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