犯人隠避罪の弁護士に有罪判決10月15日 22時3分
暴力団の捜査を担当していた愛知県警察本部の警部に脅迫電話をかけたとされる男に対し、逮捕されないよう逃走を指示した罪に問われた弁護士に名古屋地方裁判所は、「弁護士としての職責を逸脱して犯罪行為に及んだことは厳しい非難を免れない」として執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。
元検事で愛知県弁護士会に所属する弁護士の城正憲被告(66)は、おととし、風俗店などを運営するグループの実質的な経営者、佐藤義徳被告(56)とともに、暴力団捜査を担当する愛知県警の警部に脅迫電話をかけたとされる佐藤被告の部下に対し、逮捕されないよう逃走を指示したとして犯人隠避の罪に問われました。
これまでの裁判で城弁護士は「逃走は指示したが、資金の提供などの具体的な関与はなかった」と主張していました。
15日の判決で名古屋地方裁判所の前田巌裁判長は、「佐藤被告の別の元部下の供述から、被告が逃走資金の提供を指示したと認められる」と指摘しました。
そして「共犯者の間に立って指示や連絡を取り持つなど、弁護士としての職責を逸脱して犯罪行為に及んだことは厳しい非難を免れない」として懲役1年6か月、執行猶予3年を言い渡しました。
城弁護士に対しては、起訴されたあと懲戒請求が出されていますが、弁護士会が処分しておらず、判決が確定すると自動的に弁護士の資格を失うことになります。
判決のあと、城弁護士は自身の弁護士を通じて「主張が認められなかったことに不服はあるが、判決を厳粛に受け止め控訴しない予定です。軽率な行動だったと深く反省しています」というコメントを出しました。
弁護士が有罪判決を受けたことについて愛知県弁護士会の安井信久会長は「社会の信頼を損ねご迷惑をおかけしたことに対して弁護士会として深くおわび申し上げます。今後、倫理に関する研修の内容などを見直して再発防止に努めたい」と話しました。
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