【阪神】掛布氏、打撃アドバイザー就任で古巣復帰

　阪神の打撃アドバイザー役にＯＢで現役時代３度の本塁打王に輝いた掛布雅之氏（５８）の就任が１５日、確実になった。南信男球団社長らが大阪市内のホテルで要請した後、掛布氏が受諾の意思を明らかにした。

　契約は１年で合意。今秋、来春のキャンプでまずは「臨時コーチ」として指導し、その後は新たなポストで主に２軍の若手育成に当たる。現役引退した１９８８年以来の古巣復帰で、初の本格的な指導者生活となる掛布氏は「自分の経験、見てきた野球が少しでもプラスになればいい」と抱負を述べた。

　阪神はレギュラーシーズンで２位、クライマックスシリーズはファーストステージで敗退した。課題は打線強化で、特に若手の伸び悩みが深刻だ。掛布氏は「若い選手がベテランを脅かせば、チームにライバル意識が出る。それがチームを強くする」と持論を展開した。

　掛布氏は千葉・習志野高から７４年にドラフト６位で阪神入り。チーム一筋にプレーし、８５年には４番として日本一に貢献した。

　掛布雅之氏「今の選手は失敗を怖がる。失敗がなければ成功もない。失敗を恐れず、楽しむ野球をやってほしい。（阪神の若手は）非常に可能性がある選手が多い。一人でも１軍で活躍できるようヒントを与えられたらうれしい」

　阪神・中村勝広ゼネラルマネジャー「阪神ＯＢとして埋もれさせるわけにはいかない。将来の監督就任含みの就任？　飛躍し過ぎ。その考えは球団として本意ではない」

　◆掛布　雅之（かけふ・まさゆき）　千葉・習志野高から７４年にドラフト６位で阪神入り。７９、８２、８４年と３度の本塁打王。８２年は打点王との２冠。８５年には４番としてチームを初の日本一に導き、８８年の現役引退までチーム一筋でプレーし「ミスタータイガース」の異名を取った。通算成績は１６２５試合で１６５６安打の打率２割９分２厘、３４９本塁打、１０１９打点。千葉県出身。５８歳。