明石市:嫡出子欄のない出生届の運用開始…全国初
毎日新聞 2013年10月01日 20時48分(最終更新 10月01日 21時08分)
兵庫県明石市は1日、法律上結婚した夫婦間の子(嫡出子)か婚外子かを記載する欄がない出生届の運用を始めた。嫡出子欄の記載を義務付けた戸籍法の規定を「必要不可欠とはいえない」とした9月26日の最高裁判断を受けた措置。婚外子への差別をなくす狙いで、全国の自治体で初めての取り組みという。
法務省は2010年3月、嫡出子欄に記載がない出生届でも自治体が親の戸籍簿などで確認できる場合、受理するよう市町村に通知。さらに同省は最高裁判断を受け、戸籍法改正を検討している。
明石市は、嫡出子欄をなくした新様式と、嫡出子欄がある従来様式を併用し、住民が選択可能とした。
市は新様式の出生届も「法務省通知の範囲内」とするが、様式は法務省令で規定されている。法務省は「事実関係を確認して適切に対応したい」としている。
1日、記者会見で発表した泉房穂市長は「市民にもいろいろな事情がある。多様性に寛容な方が居心地のいい社会ではないか」と述べた。【駒崎秀樹】