コメ産地偽装:「断れず」取引先証言…卸業者、立場利用か

毎日新聞 2013年10月05日 15時00分

 三重県四日市市の米穀卸業者「三瀧(みたき)商事」によるコメの産地偽装問題で、同社に加工用米を販売した2業者が毎日新聞の取材に「強い要請があり、引き受けざるをえなかった」などと証言した。加工用米の購入希望を取りまとめる全国穀類工業協同組合県支部長だった三瀧商事が、立場を利用して取引業者を巻き込みながら偽装を進めたとみられる。

 2業者は「稲垣製茶」と「榊原商店」(いずれも四日市市)。

 稲垣製茶の稲垣剛社長(41)によると、2008年ごろに三瀧商事との取引を始めた。必要以上の加工用米の購入要請もその頃にあり、稲垣社長は「断ると大麦の買い付けが難しくなると思った。『指示通りにやっていれば大丈夫』と言われた」と証言した。

 「注文を支部長(三瀧商事)にファクスすると、上乗せ分も含めて買い付けられていた。上乗せ量をこちらが把握していない事もあった。三瀧側からの強い要請があり、引き受けざるをえなかった。価格決定権も向こうにあった」とも話した。農水省によると、不正取引で稲垣製茶に金銭的な利益はなかったという。

 また、榊原商店の榊原一博社長(63)によると、組合支部の傘下業者には加工用米買い付け枠がある。同社は三瀧商事に対し、需要減を理由に枠の削減を申し出たが、三瀧商事から「維持して実績を守ってくれ」と言われ、そのままにしていたという。

 榊原社長は「うちとの取引が悪用されていたのかもしれないが、不正が行われていたという認識は全くなかった」と話した。

 農水省の調査では、両社は、三瀧商事の不正利用分を上乗せする形で加工用米を全国穀類工業協同組合三重県支部から購入し、10年以降、計845トンを三瀧商事に供給したとされる。三瀧商事は同支部の支部長として、傘下の事業者の購入希望を取りまとめた上で、生産者から一括購入した加工用米を業者に卸している。【安達一正、駒木智一、永野航太】

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