三瀧商事のコメ産地偽装:三重県、不正見抜けず 昨年立ち入り検査
毎日新聞 2013年10月07日 中部朝刊
三重県四日市市の米穀販売「三瀧(みたき)商事」が主導したコメの産地偽装問題で、県が昨年、同社と、偽装に関与したグループ会社の米穀卸・精米「ミタキライス」(同市)に対し、米トレーサビリティー法などに基づく立ち入り検査をしながら、不正を見抜けなかったことが分かった。県の担当者は「業者同士が結託して伝票を偽造し、つじつま合わせをすれば見抜くのは困難」と話している。
農林水産省や県の調査によると、ミタキライスは遅くとも2009年から外国産米や加工用米を仕入れ、国産主食用米と混ぜ合わせるなどして三瀧商事や一般小売店などに販売。同社も国内産と偽り、販売していた。
県がミタキライスに立ち入り検査をしたのは昨年3月。2〜3年に1度の検査で、隣接する三瀧商事と同時に調べた。
しかし、両社が伝票などに虚偽記載していた産地や品名、取引量などが一致していたため、大規模な不正の存在に気付かなかったという。
県は偽装問題の発覚を受け、検査手法や検査対象の拡大を検討している。
米トレーサビリティー法は、08年に発覚した大阪市のコメ販売会社の事故米不正転売事件を受け、10年10月に施行された。生産、小売り、飲食店など、コメや米製品を扱う業者に取引記録の保存などを義務付ける内容で、違反者には50万円以下の罰金などが科せられる。【田中功一】