コメ産地偽装:巧妙手口で「浄化」 三重の業者

毎日新聞 2013年10月05日 07時20分(最終更新 10月05日 10時35分)

偽装を認め謝罪する三瀧商事の管理部長=三重県四日市市の本社で2013年10月4日、岡正勝撮影
偽装を認め謝罪する三瀧商事の管理部長=三重県四日市市の本社で2013年10月4日、岡正勝撮影
米の産地・用途偽装の手口
米の産地・用途偽装の手口

 三重県四日市市の米穀卸業「三瀧(みたき)商事」が産地や用途を偽装した米を納入していた問題で、農林水産省と同県は4日、日本農林規格(JAS)法などに違反しているとして、同社を含む6事業者に表示の是正や再発防止対策を行うよう行政指導した。農水省などの調べでは、偽装の手口は関連会社や取引会社を巻き込んだ複雑で巧妙なものだったという。

 みそや菓子などに使われる国内産加工用米が、主食用に偽装された手口は、三瀧商事の取引先の「稲垣製茶」と「榊原商店」(いずれも四日市市)が協力。両社は、三瀧商事が支部長を務める全国穀類工業協同組合三重県支部から、玄米茶製造用として自社に必要な量以上の加工用米を仕入れ、三瀧商事に販売した。稲垣製茶と榊原商店は伝票上で、その米を加工用米として三瀧商事の経営者の親族が経営していた「ジャパンゼネラル」(四日市市)に販売したと偽装。三瀧商事はジ社から架空取引で同量を主食用米として仕入れたことにして、加工用米を主食用米として販売した。

 外国産米を国産と偽る際にも、三瀧商事は中国・米国産などを購入し、これらをジ社に伝票上で架空販売。そして、ジ社から「愛知県産」などを購入したように偽装した。一方で、関連会社「ミタキライス」(四日市市)に精米名目で販売し、同社が愛知県産米などに混入させていた。

 犯罪組織が非合法に得た資金を浄化するマネーロンダリングのように、外国産米などを国産の主食用米に書類上で変身させる「ライスロンダリング」ともいえる手口。三瀧商事は偽装により12億5000万円を売り上げた。農水省は外国産米分(791トン)で約5500万円、加工用米分(845トン)で6900万円を不当に得たとしている。農水省の調査に対し、三瀧商事は「1996年ごろから経営が悪化したため、既に亡くなった創業者の発案で、2005年ごろから偽装を始めた」と説明した。08年までの書類が焼却されるなどしており、偽装はさらに大規模だった公算が大きい。【松田真、田中功一、駒木智一】

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