【木原貴之】東海や近畿地方を中心に大量の米の産地や品種が偽装されて流通した問題で、米卸会社の三瀧商事(三重県四日市市)が偽装により得た差益は、2010年10月以降で少なくとも1億2千万円に上ることが、農林水産省の調べで分かった。偽装行為が05年には始まっていたことも明らかになった。
同省によると、三瀧商事はグループ会社など三重県内の2社に米を売ったことにして、そこで実際とは違う産地や品種に書き換え、買い戻す架空の伝票を作成。10年10月〜今年9月に計4386トンを偽装した。JAS法に違反して米の産地を偽装した取引としては過去最大という。また、加工用米を扱う別の2社を通じて仕入れた845トンを主食用として偽ったとされる。
同省の調べでは、4386トンのうち791トンは中国や米国産を「愛知県産あいちのかおり」などとして販売。外国産として売るより約5500万円多い利益を得たと同省はみている。加工用米の偽装でも、約6900万円の差益が生まれたと推計される。