産地偽装:「国産」に中国米混入 イオン販売、三重の業者偽装か−−農水省検査
毎日新聞 2013年10月01日 中部朝刊
流通大手のイオン(千葉市)が昨年12月〜今年9月上旬、「国産米使用」と表示して販売した弁当やおにぎり計約1500万個に、中国産米が混入していたことが30日、分かった。西日本を中心にイオンやダイエーなどで販売されており、米を納入した三瀧(みたき)商事(三重県四日市市)による産地偽装の疑いがあるとみて、農林水産省が日本農林規格(JAS)法に基づく立ち入り検査を実施している。イオンは、三瀧商事に対する法的措置も含め、対応を検討している。
イオンによると、中国米が混入していたのは昨年12月2日から今年9月4日にかけ北陸、中部、東海、関西、中国、四国地方の2府21県にあるイオン、ダイエー、マックスバリュ、KOHYO、ザ・ビッグなど計674店舗で販売された弁当112品目、おにぎり35品目。いずれも、製パン大手・フジパングループ本社(名古屋市)グループで、名古屋市に本社を置く「日本デリカフレッシュ」と「日本フーズデリカ」が、三瀧商事から米を仕入れて愛知県内と大阪府内の4工場で加工し、イオンに納入していた。
日本デリカフレッシュによると、一部の工場に9月12日、農水省東海農政局の検査が入ったため、三瀧商事に問い合わせたところ、昨年12月1日〜今年9月3日の9カ月間に納めた米825トンのうち、4割が中国産だったとの説明があったという。産地証明書には「愛知産」と記載されていたといい、日本デリカフレッシュは既に三瀧商事との取引を停止した。
イオンは自社ホームページに「不正行為を把握できず誠に遺憾。お客さまの信頼を損なうことになり重ねてお詫(わ)び申し上げます」とのコメントを掲載。該当商品を購入した客に対しては「レシートなどの購買記録があれば、申し入れに応じて返金も検討する」(コーポレート・コミュニケーション部)としている。
三瀧商事は取材に対し、「担当者が不在でお答えできない」としている。【和田憲二、米川直己】