水俣条約:早期批准へ先進国の支援求める 外交会議閉幕
毎日新聞 2013年10月11日 19時07分
水銀の輸出入などを規制する「水俣条約」を採択した外交会議は11日、熊本市で3日間の日程を終え、閉幕した。会議には約140カ国の閣僚ら約1000人が出席。最終日は各国政府代表が声明を発表したが、新興国や途上国からは、早期批准に向けた先進国の支援を求める意見が相次いだ。
最大の水銀排出国である中国の代表は、批准に前向きな姿勢を示す一方、「速やかな批准には資金と技術援助が必要だ」と付け加えた。タンザニアの代表は「アフリカ各国の小規模な金鉱山で水銀が使われ、特に子どもたちが水銀の危険にさらされている」と強調、監視強化へ協力を求めた。
50カ国以上の批准を経て、2016年にも発効する見通し。議長を務めた石原伸晃環境相は、シュタイナー国連環境計画事務局長と共同記者会見し、「条約が早期に発効し、世界で水銀の適正管理が進むことが大事。途上国支援をしっかり続けたい」と語った。
条約は水銀鉱山の新規開発禁止や、水銀を含む9種類の製品を20年までに廃絶することなどを盛り込み、10日に全会一致で採択された。【松田栄二郎、阿部周一】