漫画家やなせたかしさん 死去10月15日 15時20分
「それいけ!アンパンマン」などの漫画や「手のひらを太陽に」の作詞で知られる漫画家のやなせたかしさんが13日に心不全のため東京都内の病院で亡くなりました。
94歳でした。
やなせさんは高知県の出身で、大学を卒業後、百貨店の宣伝部に就職し、グラフィックデザイナーを経て漫画家としてデビューしました。
昭和39年からNHKで放送が始まったクイズ番組「まんが学校」で講師役を務め、上手にマンガを書く方法を毎回解説して人気を集めました。
昭和48年子ども向けの雑誌に連載を始めた「それいけ!アンパンマン」シリーズはテレビアニメになり、国内だけでなく、スペインやブラジルなどでも放送されて世界各地の子どもたちに愛されました。
また、作詞家としても活躍し、昭和36年に作詞した「手のひらを太陽に」はNHKの「みんなのうた」で放送されて反響を呼び、小学校の音楽の教科書にも載りました。
こうした功績が評価されて平成3年には勲四等瑞宝章を受章しています。
戸田恵子さん「先生こそがアンパンマン」
アンパンマンの声を演じる女優の戸田恵子さんは「やなせ先生こそがアンパンマンそのものでした。いつでも優しさで私たちを包んでくださり、分け合うことを教えてくださった。ただひたすらありがとうございましたと感謝を申し上げるしかないのですが、今は決して無くしてはいけない大切な道しるべを喪った感覚です。悲しすぎて全く力が入りません」とコメントを発表しました。
松本零士さん「アンパンマン知らない子いない」
やなせたかしさんが亡くなったことについて、漫画家の松本零士さんは「周りを見ていてもアンパンマンを知らない子どもはおらず、あれほど幅広く、子どもたちに親しまれるキャラクターを作れる人はほかにいなかった。舞台で元気はつらつに踊ったり歌ったりもしていて、非常に気さくな人だった。100歳まで漫画家として頑張ってほしかったので、亡くなったと聞いて本当に残念です」と話しています。
ことしで出版40周年
出版社によりますと、昭和48年に始まった絵本「あんぱんまん」のシリーズは、これまでに350の本が出版され、累計6800万部を売り上げる大ヒットで、ことしで出版40周年を迎えました。
またことしは、デビューから60年を迎えるとともに、アニメ版のテレビでの放送や、映画版の初めての上映から25年の記念の年に当たります。
このため、やなせさんは来月、これまでの漫画や絵本の業績をまとめた「やなせたかし大全」を刊行する予定で、最近まで編集者とやり取りをしていたと言うことです。【「誰もが通る道」】
ことし上映された映画、「それいけ!アンパンマンとばせ!希望のハンカチ」に声優として出演したお笑いコンビの「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんは、やなせたかしさんが亡くなったことについて、「僕らもパンがコンビ名で、いつもアンパンマンを意識していました。震災からの復興という思いが込められた映画で、やなせ先生が僕らを選んでくれたと聞いて、とてもうれしかったです。長い間子どもや大人を楽しませてくれてありがとうと言いたいです」と話していました。
また、相方の富澤たけしさんは、「アンパンマンは誰もが通る道。僕の子どもが最近ばいきんまんを覚えて、僕はよくアンパンチをされるようになったので、これからアンパンチされるたびにやなせ先生を思い出すんだろうなと思います。人を幸せにするという意味ではアンパンマンもお笑いも一緒で、アンパンマンという作品は永遠だと思います」と話しています。
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