2013.10.15 05:03(2/2ページ)

虎首脳、掛布氏に嘆願!「隼太&森田を育てて」

今季のウエスタンの試合前練習中、伊藤隼(右)にアドバイスする掛布氏

今季のウエスタンの試合前練習中、伊藤隼(右)にアドバイスする掛布氏【拡大】

 3年目の来季が勝負の年となる和田虎の頼みの綱だ。掛布氏への打撃アドバイザー招へいが判明から一夜明け、球団首脳が、切り札投入の理由を明かした。

 「当初は、キャンプの臨時コーチを検討していたが、それだけじゃなく、シーズン中も見てもらえたらと。ファーム、特に、若い選手のコーチングをしてもらいたい」

 球団サイドと掛布氏は今週中にも条件面やポストについての話し合いをする。すでに、関係者を通じて打診し、掛布氏も受諾に前向きな姿勢を示しており、その席で26年ぶりのタテジマ復帰が晴れて実現する流れだ。

 球団首脳は「ウチは伸び悩む選手が多い。特に伊藤隼、森田とかを育ててほしい」と明かした。昨年のドラフト1位・伊藤隼は2年目の今季も30試合の出場にとどまり、打率・145、1本塁打、4打点。即戦力ルーキーと騒がれて入団したが、この2年間はサッパリだった。

 掛布氏は、昨年11月中旬、鳴尾浜で行われていた秋季練習をサプライズ訪問し、平田2軍監督の依頼で、選手を直接指導した。伊藤隼に関しては、昨年のトークショーで「キャンプでみた瞬間、ダメだと思った。首が折れている」と指摘したこともあった。

 伊藤隼とともに掛布氏の指導で大化けを期待しているのは、持ち前のパワーを1軍で発揮しきれない森田だ。6年目の今季のウエスタン・リーグで16本塁打、69打点は2冠。7月中旬に今季初の1軍昇格を果たしたが、出場13試合で打率・211、0本塁打、2打点。1軍に定着できなかった。

 「これからの話し合いになるが、(来季、試合で)1軍ベンチには入らないと思う。若手の育成をお願いしたい」

 球団首脳は、熱く語った。チーム力の底上げへ、球団総意でミスタータイガースを迎え入れる。

掛布 雅之(かけふ・まさゆき)

 元内野手。1955(昭和30)年5月9日、新潟県生まれ、58歳。習志野高から74年ドラフト6位で阪神に入団。79、82、84年に本塁打王、82年には打点王にも輝くなど、「ミスタータイガース」として人気を博した。85年にはクリーンアップの一角を担って強力打線を形成し、日本一に貢献。88年現役引退。通算成績は1625試合、打率・292、349本塁打、1019打点。ベストナイン7度、ゴールデングラブ賞6度受賞。引退後は解説者として活躍。現役当時は1メートル75、77キロ。右投げ左打ち。

(紙面から)