2013.10.15 05:02(2/2ページ)

阪神・藤浪、秋季キャンプでフォーム矯正!

中西投手コーチ(左)から指導を受ける藤浪

中西投手コーチ(左)から指導を受ける藤浪【拡大】

 うつむいているヒマはない。藤浪の華々しいプロ1年目は、12日のクライマックスシリーズ初戦で幕を閉じた。すぐさまメスが入る。踏み出す左足が大きく右打者の背中向きに入る「インステップ」を、今オフに矯正する。チーム関係者がプランを明かした。

 「秋季キャンプへは行く。クロスして出てくるステップを直す。腕も横振りになって、故障する可能性が高いから。春からだと間に合わないから、この秋からやる」

 新人年から10勝6敗、防御率2・75の数字を残した大器だが、投球時、左足を真っすぐ本塁方向に踏み出すのではなく、三塁側に踏み出す点が問題視されていた。体が開けば、ボールがシュート回転する。それを抑えるため、高校時代から続けてきたフォーム。右打者に恐怖心を与えられる反面、横向きのターンが強くなるため、腕が横振りに遠回りする弊害があった。故障を不安視する声も、以前からあった。

 規定投球回には「6回1/3」届かなかったが、高卒新人の数々の記録を塗り替えた。セ・リーグ初となる高卒新人の「4月3勝」に始まり、球宴出場、8月度の月間MVP受賞と、華々しいシーズンだったが、中西投手コーチは、かねてから「スパイク一足分でも一塁側に入れば、だいぶ違ってくる。本人には少しずつ言っているけど、急には無理だろう。かなり体が開いている感覚になってしまうだろうから」とインステップを問題視していた。

 時間は、ありそうでない。藤浪はこの日、鳴尾浜の虎風荘でシーズンの疲れを取ることに専念した。寮長には「しばらく休みます」と伝えたというが、今秋から、来季への戦いは始まっている。21日に始まる指名練習に参加し、10月末にはキャンプ地である高知・安芸入りする見込みだ。

 リリースで上からボールをたたけるようになれば、意のままに右打者の外角低めへボールが決まり出す。失投が少なくなれば、12日のCS・広島戦でキラに決勝3ランを浴びたような悲劇も、繰り返されない。よりレベルの高い投手となるために、避けては通れない道だ。

 進化を止めない-。自身最大の課題を克服して、来季は真のエースへと成長する。

★阪神の秋季キャンプ

 今年は11月初旬から下旬まで高知県の安芸市営球場で行われる。若手メンバーが主体で、体力強化のメニューが中心となる。メーンの練習が終わって夕食後も夜間練習を行う。和田監督に評価された選手は、2月の沖縄・宜野座キャンプ(1軍)メンバーに抜てきされる。

(紙面から)