PKには「プロジェクト登録で閲覧限定社員を登録しても閲覧できてしまいまう」という問題があったため、カスタマイズできないかを試してみました。
カスタマイズするためにWindows環境にDB2Express-Cのインストールを行い、ダウンロードしたProjectKeeperのアーカイブ内にあるinstall.batを実行する。
install.batの実行後に生成されたwarファイルをTomcatのwebappsフォルダにディプロイし、まずは動作確認を行ってみたところ問題なく稼動できた。
次にeclipseで新規プロジェクトを作成し、展開されたwarファイル（pkフォルダ）内のソースおよびライブラリを設置した。
ビルドしてみると、以下の太字部分のパッケージがソースから欠落しているため、完全にビルドすることができない。
このためビルドに必要な太字部分のパッケージとソース提供されていないものをjarファイルなどの依存ライブラリとして作成し稼働環境を整える必要がある。
つまり以下のパッケージ部分に関しては、カスタマイズすることはできないということだ。
ソース提供されていないライブラリ
com.sios.applications
┣ job
┣ mobile
┗ web
┣ anken
┣ calendar
┣ customer
┣ mitsumori
┣ mokuhyo
┣ nippo
┣ personalcustomer
┣ schedule
┣ seminar
┣ setsubi
┣ uriage
┗ yosan
上記のようにオープンソースといいながら無償版ソースを開示していない点やテーブル数が２２０個ほどあるにも関わらず、それに関する資料も皆無。せめてER図とテーブル設計書のようなものはほしい。
また存在しているソースからJavadocを作り、概要の把握をしたいが、パッケージインデックスがないので非常にわかりにくい。
さてプロジェクトリストを出力している処理を改編するため、該当SQLがどうなっているかをログ出力させる。
ログ出力はlog4jを使っているので、以下のものを追加し、tomcatを再起動するとログが出力できるようになる。
log4j.category.com.tenartni.ninjava.sql.SQLLogger=DEBUG, SQL
log4j.appender.SQL=org.apache.log4j.DailyRollingFileAppender
log4j.appender.SQL.File=C:/siosApp/log/sql.log
log4j.appender.SQL.layout=org.apache.log4j.PatternLayout
log4j.appender.SQL.layout.ConversionPattern=%d %m%n
log4j.appender.SQL.Threshold=DEBUG
本システムのSQLはクラス名と同名のXMLファイルに記載しているようなので、grepを行ったがどうしても見つからない。（はまった…）
なにげにテーブルのリストをみているとQUERYLISTというものがあったので、データをみてみるとこのテーブルに該当SQLを発見。
（なぜこんなわかりにくいところにあるんだ〜〜！！！）
見つけ出したSQLは・・・
SELECT
A.PROJECTNO,
A.PROJECTCODE,
A.PROJECTNAME,
A.PROJECTSTARTYMD,
A.PROJECTENDYMD,
B.TORIHIKISAKINAME,
C.TORIHIKISAKINAME
FROM
PROJECT A
LEFT OUTER JOIN TORIHIKISAKI B ON (A.TORIHIKISAKINO = B.TORIHIKISAKINO)
LEFT OUTER JOIN TORIHIKISAKI C ON (A.ENDUSERTORIHIKISAKINO = C.TORIHIKISAKINO)
WHERE
COALESCE(A.PROJECTNO,-1) = COALESCE(:PROJECTNO, COALESCE(A.PROJECTNO,-1))
AND COALESCE(A.PROJECTCODE,'') = COALESCE(:PROJECTCODE, COALESCE(A.PROJECTCODE,''))
AND (
A.PROJECTNAME LIKE CONCAT(CONCAT('%', :PROJECTNAME ), '%')
OR
COALESCE(A.PROJECTNAME ,'') = COALESCE(:PROJECTNAME , COALESCE(A.PROJECTNAME ,''))
)
AND (A.PROJECTSTARTYMD BETWEEN COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_FROM, A.PROJECTSTARTYMD) AND COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_TO, A.PROJECTSTARTYMD)
OR (A.PROJECTSTARTYMD IS NULL AND (COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_FROM, '0000/01/02') BETWEEN '0000/01/01' AND '0000/01/03') AND (COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_TO, '0000/01/02') BETWEEN '0000/01/01' AND '0000/01/03')))
さて修正方針としては、次の２点となる。
1.ログインユーザがプロジェクトの閲覧権限ユーザに存在していることを条件付加
2.システム管理者（社員��9999999999）は、上記条件を無視する
このSQLを使っているクラスを探してみたところ、SearchSWOBabseで制御を実装しているようだ。
package com.sios.applications.web.common.SearchSWOBaseは、Web画面検索用基底クラスとなっている。
また閲覧権限ユーザを格納しているテーブルは、PROJECTETSURANSHAINと推測される。
SQLに追加する条件
AND EXISTS (
(SELECT 'X' FROM PROJECTETSURANSHAIN WHERE SHAINCODE=:USERID) or
(SELECT 'X' FROM USERROLE WHERE SHAINCODE = :USERID)
)
条件追加はDB2のコントロールセンターで行いました。
※コンソール上でSQLの更新を行うときは、シングルクォートがあるのでこのままではSQLエラーになります。この場合、シングルクォートを二つ続けて、例えば「''X''」とすればOK。
また追加した条件で使用している動的パラメータUSERIDをSearchSWOBaseのsearchメソッドに以下のようにコーディング（多少強引ですが・・・）
※青字にしている部分が追加した箇所
protected void search() throws Exception {
if (seDatList.isActive()) seDatList.setActive(false);
// 小計・中計・大計の行区分をつける
if (seDatList.contains(COL.COLUMNTYPE) == null) {
seDatList.addColumn(COL.COLUMNTYPE, DataField.Type.STRING);
}
seDatParam.first();
while (seDatParam.inBounds()) {
// 直接入力(階層部署)
if (seDatParam.getValueAsString(COL.CONDITION).equalsIgnoreCase(CommonCondition.TYPE_DIRECT_INPUT_DEPT)) {
// 未入力の場合は" <> '-1' "を強制セット
if (seDatList.getParams().isNull(seDatParam.getString(COL.PARAMNAME))) {
seDatList.getParams().setValueAsString(seDatParam.getString(COL.PARAMNAME), " <> '-1' ");
}
}
seDatParam.next();
}
String code = seDatQuery.getValueAsString(COL.QUERYCODE);
if(code.equals("010009")){
seDatList.getParams().setString("USERID",this.getContainer().getParams().getString(PARAM.USERID));
}
//検索条件移行処理
setSearchConditon(seDatList.getParams());
//検索!
seDatList.setActive(true);
}
さらにQUERYLISTに登録しているSQL上で使っている動的パラメータは、DATAPARAMテーブルに登録しておく必要があるようだ。
該当SQLのクエリーコードは 010009 となっているので、DATAPARAMに今回追加した動的パラメータUSERIDを登録しておく必要があります。
INSERT INTO DATAPARAM (QUERYCODE,PARAMCODE,PARAMNAME,PARAMCAPTION,NULLABLE,PARAMTYPE,FORMATPATTERN,LENGTH,SCALE,CONDITION) VALUES ('010009',6,'USERID','ユーザID','1',10,NULL,-1,-1,'0')
以上の修正で最重要課題はクリアできたかなと思います。
総評ですが、少なくともこの無償版に関しては「オープンソース」を売りにしているわけではなく、有償版の営業・宣伝のためにやむなく、無償版を提供しているだけのような気がしてならない。
使用しているフレームワークはninjavaというものらしく、このフレームワークに精通していれば、もっと効率的にカスタマイズできるかもしれないが、未経験となるとカスタマイズはかなり大変そうだ。
すばらしい機能があるのに、ユーザコミュニティーが閑散としているのはそのためではないだろうかと思う次第です。
カスタマイズするためにWindows環境にDB2Express-Cのインストールを行い、ダウンロードしたProjectKeeperのアーカイブ内にあるinstall.batを実行する。
install.batの実行後に生成されたwarファイルをTomcatのwebappsフォルダにディプロイし、まずは動作確認を行ってみたところ問題なく稼動できた。
次にeclipseで新規プロジェクトを作成し、展開されたwarファイル（pkフォルダ）内のソースおよびライブラリを設置した。
ビルドしてみると、以下の太字部分のパッケージがソースから欠落しているため、完全にビルドすることができない。
このためビルドに必要な太字部分のパッケージとソース提供されていないものをjarファイルなどの依存ライブラリとして作成し稼働環境を整える必要がある。
つまり以下のパッケージ部分に関しては、カスタマイズすることはできないということだ。
ソース提供されていないライブラリ
com.sios.applications
┣ job
┣ mobile
┗ web
┣ anken
┣ calendar
┣ customer
┣ mitsumori
┣ mokuhyo
┣ nippo
┣ personalcustomer
┣ schedule
┣ seminar
┣ setsubi
┣ uriage
┗ yosan
上記のようにオープンソースといいながら無償版ソースを開示していない点やテーブル数が２２０個ほどあるにも関わらず、それに関する資料も皆無。せめてER図とテーブル設計書のようなものはほしい。
また存在しているソースからJavadocを作り、概要の把握をしたいが、パッケージインデックスがないので非常にわかりにくい。
さてプロジェクトリストを出力している処理を改編するため、該当SQLがどうなっているかをログ出力させる。
ログ出力はlog4jを使っているので、以下のものを追加し、tomcatを再起動するとログが出力できるようになる。
log4j.category.com.tenartni.ninjava.sql.SQLLogger=DEBUG, SQL
log4j.appender.SQL=org.apache.log4j.DailyRollingFileAppender
log4j.appender.SQL.File=C:/siosApp/log/sql.log
log4j.appender.SQL.layout=org.apache.log4j.PatternLayout
log4j.appender.SQL.layout.ConversionPattern=%d %m%n
log4j.appender.SQL.Threshold=DEBUG
本システムのSQLはクラス名と同名のXMLファイルに記載しているようなので、grepを行ったがどうしても見つからない。（はまった…）
なにげにテーブルのリストをみているとQUERYLISTというものがあったので、データをみてみるとこのテーブルに該当SQLを発見。
（なぜこんなわかりにくいところにあるんだ〜〜！！！）
見つけ出したSQLは・・・
SELECT
A.PROJECTNO,
A.PROJECTCODE,
A.PROJECTNAME,
A.PROJECTSTARTYMD,
A.PROJECTENDYMD,
B.TORIHIKISAKINAME,
C.TORIHIKISAKINAME
FROM
PROJECT A
LEFT OUTER JOIN TORIHIKISAKI B ON (A.TORIHIKISAKINO = B.TORIHIKISAKINO)
LEFT OUTER JOIN TORIHIKISAKI C ON (A.ENDUSERTORIHIKISAKINO = C.TORIHIKISAKINO)
WHERE
COALESCE(A.PROJECTNO,-1) = COALESCE(:PROJECTNO, COALESCE(A.PROJECTNO,-1))
AND COALESCE(A.PROJECTCODE,'') = COALESCE(:PROJECTCODE, COALESCE(A.PROJECTCODE,''))
AND (
A.PROJECTNAME LIKE CONCAT(CONCAT('%', :PROJECTNAME ), '%')
OR
COALESCE(A.PROJECTNAME ,'') = COALESCE(:PROJECTNAME , COALESCE(A.PROJECTNAME ,''))
)
AND (A.PROJECTSTARTYMD BETWEEN COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_FROM, A.PROJECTSTARTYMD) AND COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_TO, A.PROJECTSTARTYMD)
OR (A.PROJECTSTARTYMD IS NULL AND (COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_FROM, '0000/01/02') BETWEEN '0000/01/01' AND '0000/01/03') AND (COALESCE(:PROJECTSTARTYMD_TO, '0000/01/02') BETWEEN '0000/01/01' AND '0000/01/03')))
さて修正方針としては、次の２点となる。
1.ログインユーザがプロジェクトの閲覧権限ユーザに存在していることを条件付加
2.システム管理者（社員��9999999999）は、上記条件を無視する
このSQLを使っているクラスを探してみたところ、SearchSWOBabseで制御を実装しているようだ。
package com.sios.applications.web.common.SearchSWOBaseは、Web画面検索用基底クラスとなっている。
また閲覧権限ユーザを格納しているテーブルは、PROJECTETSURANSHAINと推測される。
SQLに追加する条件
AND EXISTS (
(SELECT 'X' FROM PROJECTETSURANSHAIN WHERE SHAINCODE=:USERID) or
(SELECT 'X' FROM USERROLE WHERE SHAINCODE = :USERID)
)
条件追加はDB2のコントロールセンターで行いました。
※コンソール上でSQLの更新を行うときは、シングルクォートがあるのでこのままではSQLエラーになります。この場合、シングルクォートを二つ続けて、例えば「''X''」とすればOK。
また追加した条件で使用している動的パラメータUSERIDをSearchSWOBaseのsearchメソッドに以下のようにコーディング（多少強引ですが・・・）
※青字にしている部分が追加した箇所
protected void search() throws Exception {
if (seDatList.isActive()) seDatList.setActive(false);
// 小計・中計・大計の行区分をつける
if (seDatList.contains(COL.COLUMNTYPE) == null) {
seDatList.addColumn(COL.COLUMNTYPE, DataField.Type.STRING);
}
seDatParam.first();
while (seDatParam.inBounds()) {
// 直接入力(階層部署)
if (seDatParam.getValueAsString(COL.CONDITION).equalsIgnoreCase(CommonCondition.TYPE_DIRECT_INPUT_DEPT)) {
// 未入力の場合は" <> '-1' "を強制セット
if (seDatList.getParams().isNull(seDatParam.getString(COL.PARAMNAME))) {
seDatList.getParams().setValueAsString(seDatParam.getString(COL.PARAMNAME), " <> '-1' ");
}
}
seDatParam.next();
}
String code = seDatQuery.getValueAsString(COL.QUERYCODE);
if(code.equals("010009")){
seDatList.getParams().setString("USERID",this.getContainer().getParams().getString(PARAM.USERID));
}
//検索条件移行処理
setSearchConditon(seDatList.getParams());
//検索!
seDatList.setActive(true);
}
さらにQUERYLISTに登録しているSQL上で使っている動的パラメータは、DATAPARAMテーブルに登録しておく必要があるようだ。
該当SQLのクエリーコードは 010009 となっているので、DATAPARAMに今回追加した動的パラメータUSERIDを登録しておく必要があります。
INSERT INTO DATAPARAM (QUERYCODE,PARAMCODE,PARAMNAME,PARAMCAPTION,NULLABLE,PARAMTYPE,FORMATPATTERN,LENGTH,SCALE,CONDITION) VALUES ('010009',6,'USERID','ユーザID','1',10,NULL,-1,-1,'0')
以上の修正で最重要課題はクリアできたかなと思います。
総評ですが、少なくともこの無償版に関しては「オープンソース」を売りにしているわけではなく、有償版の営業・宣伝のためにやむなく、無償版を提供しているだけのような気がしてならない。
使用しているフレームワークはninjavaというものらしく、このフレームワークに精通していれば、もっと効率的にカスタマイズできるかもしれないが、未経験となるとカスタマイズはかなり大変そうだ。
すばらしい機能があるのに、ユーザコミュニティーが閑散としているのはそのためではないだろうかと思う次第です。