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甲子園決勝再試合の夏から7年…早稲田実業 駒大苫小牧 栄光の球児たちの「その後」

2013年07月27日(土) フライデー
friday

 野球サークルにも入ったが、早慶戦に足を運ぶことはなく、プロ野球中継も極力見ないようにしていた。一緒に汗を流した選手たちの懸命な姿を見れば、自分への悔しさや寂しさが込み上げてくる。斎藤とも自分からは連絡をとらず、キャンパス内で会えば「久しぶり」と声を掛け合うだけになった。

 悶々とした気持ちがようやく晴れ始めたのは、大学2年の終わりだった。斎藤だけでなく、甲子園で戦った田中、前田健太(広島)や坂本勇人(巨人)ら同世代選手の活躍が刺激になり、彼らを純粋に応援できるようになっていった。

 就職活動では、マスコミやエンタテインメント業界を中心に10社ほど受ける。甲子園の過熱報道の記憶からメディアを避けて、三菱商事(捕手の白川英聖、25)やソニー(左翼手の船橋悠、25)など大手商社やメーカーを選択する傾向が強かった早実ナインでは珍しい。小柳が最終的に選んだのは、総合エンタテインメント企業のエイベックスだった。

「面接では『なんで野球を辞めたの?』と聞かれることもありましたが、このころには『新しい経験を積みたかったからです』と素直に答えられるようになりました。野球と芸能や音楽は異質なものですが、感動を与えるという意味では同じ。もう一度、人の心を動かしたいです」

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