SSD 解説

インテル® Solid-State Drive DC S3500 シリーズ

インテル® Solid-State Drive

長期利用にオススメのサーバー向け SSD

高い信頼性と手ごろな価格で定評のあるインテル® Solid-State Drive (SSD) 製品。
現在でも、エントリーモデルのインテル® SSD 335 シリーズや、高性能モデルのインテル® SSD 520 シリーズが自作 PC 向けとして人気です。

一方で、インテルはデータセンターで利用されるサーバー向け SSD も発売しています。
最新のサーバー向け SSD『インテル® SSD DC S3500 シリーズ』では、20nm NAND フラッシュメモリーやインテル製コントローラー (240GB 以上のモデルに搭載) などの最新技術が盛り込まれ、自作 PC ユーザーからも注目が集まっています。

これら、インテル® SSD DC S3500 シリーズのようなサーバー向け SSD 製品と、インテル® SSD 520 シリーズのような自作 PC 向け SSD とどこが違うのでしょうか ?

ストレージ容量の単価で比べると、240GB モデルではインテル® SSD 520 が 2万7000円前後、インテル® SSD DC S3500 シリーズが 3万円前後と少々高くなります。シーケンシャル性能もインテル® SSD 520 シリーズのほうが高速です。しかし、ランダム 4K の読み出し性能がインテル® SSD 520 シリーズでは 5万 IOPS、インテル® SSD DC S3500 シリーズでは 7万 5000 IOPS と圧倒的なポテンシャルを秘めています。

「ランダム 4K」とは、SSD に小さなファイルサイズでランダムアクセスするときに重要な指標です。SSD も HDD と同様に、長期的に使用することで記録域にデータの隙間がいくつも発生します。その隙間に飛び飛びで新しいデータが記録され、後から書き込んだファイルほどランダムにアクセスするため、読み出しに時間がかかるようになります。つまり、ランダムアクセスが速ければ、長期的に使用しても速度が落ちづらいということになります。反対にシーケンシャルはその隙間がない状態でのアクセスなので、新品に近い状態での性能となります。

インテル® SSD DC S3500 シリーズは、シーケンシャル性能でみるとインテル® SSD 520 シリーズよりも高価ですが、ランダム 4K の値が大きいので長期的に使用しても速度低下が起こりづらく、SSD を買い換える頻度が減るので決して割高な製品ではありません。

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インテル® Solid-State Drive DC S3500 シリーズ 240GB モデルでの計測結果

インテル® SSD DC S3500 シリーズ
240GB モデルでの計測結果

インテル® Solid-State Drive 520 シリーズ 240GB モデルでの計測結果

インテル® SSD 520 シリーズ
240GB モデルでの計測結果

ランダム 4K 性能を検証

ストレージ性能を計測するベンチマークソフト「CrsytalDiskMark v3.0.2f*」を使用して、ランダムアクセス 4K の速度を計測すると、シーケンシャルや 512KB ランダムアクセスは、コンシューマー向けモデルのインテル® SSD 520 シリーズ (240GB) に劣りますが、4KB ランダムアクセスの読み出し、特に QD=32 (ストレージが 1 度に処理できるコマンド数) の状態ではインテル® SSD DC S3500 シリーズは毎秒約 80MB 程度高速という結果になりました。

512K よりも 4K のほうがデータサイズが小さいため、より長期に渡って使用した SSD の記録域の隙間の状態に近いものと言えます。そのような状態でもインテル® SSD DC S3500 シリーズは毎秒約 317MB で高速アクセスできます。

動画や音楽などのデータを頻繁に書き込む方や、多くのゲームをインストールする方で、長期に渡り安定した速度で SSD を使用したい方はサーバー向けのインテル® SSD DC S3500 シリーズがオススメです。

検証環境 検証ソフト:CrsytalDiskMark v3.0.2f*
SSD インテル® SSD
DC S3500 シリーズ (240GB)
インテル® SSD
520 シリーズ (240GB)
プロセッサー インテル® Core™ i5-4670K
プロセッサー
インテル® Core™ i5-4670K
プロセッサー
マザーボード ASUS* Z87-A (インテル® Z87
チップセット搭載)
ASUS* Z87-A (インテル® Z87
チップセット搭載)
メモリー DDR3-1333 DIMM 4GB x 2枚 (PC3-10600) DDR3-1333 DIMM 4GB x 2枚 (PC3-10600)
OS Microsoft* Windows* 8 Pro
(64ビット版)
Microsoft* Windows* 8 Pro
(64ビット版)

週刊アスキー編集部調べ

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  シーケンシャル
読み出し
シーケンシャル
書き込み
240GB モデル 500MB / 秒 260MB / 秒
160GB モデル 475MB / 秒 175MB / 秒
120GB モデル 445MB / 秒 135MB / 秒

240GB 以上のモデルには高速なインテル製コントローラーを搭載

240GB 以上は
高速なインテル製コントローラーを搭載

インテル® SSD DC S3500 シリーズは 240GB 以上のモデルにはインテル製コントローラーを搭載し、240GB 未満のモデルよりも高性能になります。

シーケンシャル性能においてその差は顕著で、シーケンシャルの読み出し / 書き込みの公称値は、240GB モデルでは毎秒 500MB / 毎秒 260MB ですが、160GB モデルでは毎秒 475MB / 毎秒 175MB となります。120GB モデルでは毎秒 445MB / 毎秒 135MB とさらに速度に差が出ます。

価格は 240GB モデルが 3万円前後、160GB モデルが 2万円前後、120GB モデルが 1万5000円前後で、1GB あたり 125 円と容量単価は同じですが、性能をみると 240GB モデルがオススメです。

20nm NAND フラッシュで信頼性と性能を確保

インテル® SSD DC S3500 シリーズは、フラッシュメモリーとしては最新の 20nm NAND フラッシュメモリーを採用しています。従来の 25nm プロセスよりも製造が難しくなりますが、平面セル構造で Hi-K メタルゲートを採用したことで 25nm NAND と同等の性能と信頼性を実現。25nm から 20nm に集積密度が高くなったことで、SSD 1枚あたりに実装できる容量を増やすことができました。

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