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風向き考慮した原発避難訓練
10月13日 18時47分

風向き考慮した原発避難訓練
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運転再開の前提となる安全審査の申請が先月行われた新潟県の柏崎刈羽原子力発電所に近い長岡市で、事故の際住民が被ばくを避けるために風向きを考慮しながら避難する、全国的にも珍しい訓練が行われました。

この訓練は、おととしの福島第一原発の事故のあと長岡市が初めて行ったもので、原発に最も近い大積地区の住民や市の担当者などおよそ6400人が参加しました。
訓練は、柏崎刈羽原発で事故が起き、放射性物質が放出されるおそれがあるという想定で始まり、住民はまず、被ばくを避けるために家の中に入る「屋内退避」を行い、屋外の空気が入らないよう、窓を閉めたり換気扇を止めたりしました。
続いて避難の訓練が行われ、長岡市の対策本部は風向きや気象条件を分析し、南東向きの風が予想されることから、3つの方向にある避難所のうち、風下を避けて大積地区から北東の方角に18キロほど離れた避難所に逃げるよう指示しました。
避難の指示を受けて、住民はバスなどに乗り込んで避難先に向かいました。
しかし、住民が避難所に着くまでのおよそ30分余りは、長岡市中心部にある観測地点では、予想とは異なり北向きの風が吹いていました。
このため住民は、3つの避難所の中では、原発から広がる放射性物質に比較的近い方向に逃げたことになりました。
風向きを考慮しながら避難する訓練は全国的にも珍しいということですが、風向きは観測地点や地形によっても刻々と変わるため、13日の訓練は、避難先を決めるタイミングや経路の選定の難しさを改めて浮き彫りにしました。
長岡市原子力安全対策室の小嶋洋一室長は、「風向きをみながらの避難は判断が難しいと感じた。たとえ風向きと同じ方向に逃げても、短時間に避難できれば次の行動がとれるので、風などの情報を早くつかんで判断ができる訓練も行っていきたい」と話していました。

避難経路は風向きを考慮して

原発事故の際、住民が避難を始める時期や避難の経路を決めるうえで課題となるのが刻々と変わる「風向き」をいかに考慮するかです。
放射性物質は風向きによって広がる方向が変わることから、住民の避難では、風が原発から海側に向かっているときに避難することや、風下を避けて経路を決めることが重要とされます。
しかし、風向きは刻一刻と変化します。
実際に、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、文部科学省が「SPEEDI」というシステムを使って、1時間ごとに風向きの変化を予測した結果からは、短時間で大きく変化する様子が確認できます。
事故発生翌日の3月12日の朝8時前に、避難指示が半径10キロ圏内に出されますが、避難が続いていたと見られる午後1時ごろから、風はそれまでの東向きから南向きに変化し、陸上にかかってきます。
それから2時間余りあと、1号機で水素爆発が起きた午後3時36分ごろには、風は逆に北向きに変わり、わずかな時間で風向きは大きく変わります。
その後、風は海側や陸側に刻々と向きを変えていきますが、大量の放射性物質の放出があった15日の午後には、風は西や北西に向かいます。
ちょうどこのころ、原発近くの南相馬市や浪江町では、住民が放射性物質が広がる方向に避難していました。
変化する風向きが、避難経路や避難先を決めるうえで、十分考慮されていなかったと、政府の事故調査・検証委員会などから指摘されています。

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