【ロンドン=黄田和宏】ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2013年のノーベル平和賞をシリアで化学兵器の査察と廃棄に取り組む化学兵器禁止機関(OPCW)に授与すると発表した。OPCWのシリアでの活動を後押しするとともに、化学兵器の廃絶を訴える狙いがある。内戦を続けるシリア政府と反体制派に停戦を促す意向も働いている。
ノーベル賞委員会は授賞理由として「化学兵器を減らすための幅広い努力」をあげた。化学兵器が使用されたシリア内戦は「(化学兵器の)廃絶への努力を強める必要性を示した」とも指摘した。OPCWは、化学兵器の全面的な使用禁止や拡散防止のための活動を世界各地で実施。5人の日本人職員がいる。
OPCWの存在感は、シリア内戦で化学兵器の使用が疑われてから急速に高まった。OPCWが同国で化学兵器が使われたことを裏付ける報告書をまとめたのを受け、国連の安全保障理事会は9月下旬、シリアに来年前半までの化学兵器の全廃を義務付ける決議を採択した。その後、OPCWはシリア政府が申告した化学兵器工場などの査察と化学兵器の廃棄に取り組んでいる。5人の日本人職員がいる。
ただ、シリアの千トンともされる大量の化学兵器を期限までに廃棄できるのかを疑問視する声もある。OPCWの査察団がシリアで銃撃にあうなど任務の危険性は高い。
化学兵器は第1次大戦で大量の犠牲者を出し、核兵器、生物兵器と並ぶ大量破壊兵器と位置付けられる。OPCWのウズンジュ事務局長は記者会見で「世界の化学兵器の廃棄は(申告分の)8割まで進んだ。受賞は残る作業に弾みを付ける」と述べた。そのうえで「受賞が未加盟の国の条約への参加を促すことを望む」と語った。
授賞式は12月10日にノルウェーのオスロで行われ、賞金800万スウェーデンクローナ(約1億2千万円)が贈られる。国際機関への授与は昨年の欧州連合(EU)に続いて2年連続。女性教育の必要性を訴えタリバンに銃撃されたパキスタンの少女、マララ・ユスフザイさん(16)は受賞を逃した。
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