2013.10.14 05:04(3/3ページ)

虎・桧山、現役さよなら弾!代打の神様が「野球の神様いたね」

九回、本塁打を放つ阪神・桧山=甲子小園球場(撮影・白鳥恵)

九回、本塁打を放つ阪神・桧山=甲子小園球場(撮影・白鳥恵)【拡大】

 この日、スタンドには家族がいた。周成くん(11)、宗秀くん(8)が応援に駆けつけていた。自宅では「いつもパパは三振ばかり」と“ツッコミ”を受けていたが、最後の最後にこれ以上ない格好いいパパを見せることができた。

 「どっちにしろ、悔しい22年間で終わったのは、間違いない。勝って終わるのと、負けて終わるのでは天と地の差がある。あとは後輩たちに託して、優勝できるように見守っていきたい」

 2度のリーグVを経験しても、日本一を成し遂げられなかった無念が募る。かわいい後輩に思いを伝え、記録にも記憶にも残る男は強烈なインパクトを放って、バットを置いた。(小松 真也)

★右翼こそ誇り…

 桧山の自宅にはあえて、真新しいファーストミットが飾られている。2003年の開幕戦。一塁でスタメン起用されたが、外野用グラブを使った。闘将・星野監督(現楽天監督)から「ファーストミットを使え」と命じられても、首を縦に振らなかった。右翼こそ、誇り-。ほぼ新品のミットは当時の熱い思いを忘れないための象徴だ。この日の試合後、右翼に走り、帽子をとって別れを告げた。虎党の声が最も聞こえる守備位置を愛していた。

試合結果へ

(紙面から)