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明治の青森、遊郭やねぶた古写真
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「青森の茶店」と題した一枚。のちに大火で焼失した「柳原遊郭」とみられる |
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「青森ねぶた」と題した写真。一部着色している。撮影場所など詳細は不明 |
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約100年前、明治期の青森市内の風景や祭りの様子などを伝える貴重な写真が17〜20日、弘前市立観光館多目的ホールで開かれる催しの中で披露される。中には、のちに焼失した遊郭とみられる建物やねぶた祭とそこに集う人の様子まで鮮明にとらえた資料もある。いずれも、放送大学(本部・千葉市)の付属図書館が所蔵するコレクションの一部で、県内では初めて公開される。
「日本残像─ちりめん本と古写真が語る幕末明治」と題した展覧会は、放送大学創立30周年と青森学習センター(弘前市)開設20周年を記念し、同センターなどが主催。「ちりめん本」と呼ばれる木版多色刷りの欧文絵本や、幕末から明治期の日本各地の風景などを撮影した古写真約150点が展示される。
同センターなどによると、古写真は、日本に本格的な写真技術をもたらしたイギリス人写真家フェリーチェ・ベアトや、ベアトらに写真技術を学んだ当時の邦人写真家らが撮影。海外向けの土産用として大量に製作され、モノクロ写真に着色を施したものもある。
このうち青森関係は18点。「青森の茶店」と題した一枚は、現在の青森市の堤川東岸の河口近くにあった「柳原遊郭」の一部を撮影したものとみられ、4層にもなる豪華な建物の様子が鮮明に写し出されている。最上階はちょうちんで飾られ、着物姿の男性や女性が見えるほか、入り口付近には人力車が並んでいる。
撮影者や撮影日時などの詳細は不明だが、写真に電柱が見えることや、遊郭は1910(明治43)年の大火で焼失したことから、1897(同30)〜1910(同43)年の明治後期に撮影されたものと推察されるという。
遊郭やねぶたの写真について県県史編さんグループ主幹の中園裕さんは「県内の資料の中にも類似の写真はある」とした上で「当時の写真には所有者があいまいなものが多い中、出どころがはっきりしている点が貴重。また、最先端の技術を持った人が撮影したためか非常に鮮明。明治期の青森の写真はそもそも多くはないので希少価値がある」と話している。
入場無料。問い合わせは同センター(電話0172-38-0500)へ。
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