Updated: Tokyo  2013/10/14 08:41  |  New York  2013/10/13 19:41  |  London  2013/10/14 00:41
 

東電:新たに汚染水が海に流出-傾斜地タンクの水位計算ミス

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  10月3日(ブルームバーグ):東京電力 は3日、福島第一原子力発電所の貯蔵タンクから汚染水が漏れ、一部はタンクを囲む堰(せき)の外に流出し、排水溝を伝って海洋に流出したとみられると発表した。

漏えいが起きたのは「B南エリア」と呼ばれる緩やかに傾斜した区域。配管でつながった5つのタンクには淡水化装置で処理した汚染水を貯蔵していたが、同エリアの堰内で溢れそうになった雨水を傾斜地に立つタンクに移送したところ、水位計算を誤り天板付近から水が漏れた。

東電の発表によると、漏えいが起きた「B-A5」タンクの容量は450トン。この容量の97.8%程度の水位で運用していたが、2日の降雨で堰の内側にたまり、外に溢れるのを防ぐためにたまった雨水を同タンクに移送した結果、水位は98.6%程度に達した。

都内で会見した尾野昌之原子力・立地本部長代理によると、100%でも水面と天板の間には一定の距離が生まれることから「99%でも大丈夫」と考えて水を入れたが、傾斜に伴う水面の傾きにより天板付近から水が溢れ、「結果としては計画段階のミスだった」と説明した。背景には汚染水の増加ペースに対してタンクの建設が追い付いていないという課題があるとも指摘。尾野氏は容量の「ぎりぎりに水を入れなければこういったことは起きない」と述べた。

外部にはみ出した足場

溢れた汚染水の一部はタンクの外周部に取り付けられた点検用の足場を伝い、堰の外部にも流出。東電は外に漏れた水の量を約430リットルと試算している。この足場は堰の外側にはみ出していた。

尾野氏は、堰の外に漏れた場所は「土ではなく、染み込みにくい場所」と説明。具体的な量については不明だとした上で、430リットルのほとんどが数メートル離れた側溝に流れ込み海に漏れたと考えられるとの見解を示した。こういった堰の外側へのはみ出しは「盲点だった」と認めた。他にこういった場所がないか確認するとともに、対応策を検討すると話した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 岡田雄至 yokada6@bloomberg.net;東証 Chisaki Watanabe cwatanabe5@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/03 13:57 JST

 
 
 
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