2月12日、映画「だいじょうぶ3組」の原作者でもあり、ご出演もされている
乙武洋匡さんが、姪北小学校を訪問しました。この映画は、乙武さんが
自らの小学校の教員体験をもとに書いた小説が原作となっています
乙武洋匡さんといえば、「五体不満足」という本であまりにも有名な方です。
私も、中学3年生のときに理科の先生が授業中に「五体不満足」が面白かった
というお話をしてくださり、本を読んだことを思い出します
この日は朝から5・6年生を対象に映画「だいじょうぶ3組」を上映
乙武さんは、上映後に登場しました
児童から映画の感想を発表するとともに乙武さんに質問を行い、
ゲストティーチャーとして答えてもらう「特別授業」がはじまりました
どんなお話があったのか、一部をご紹介します
周りから冷たい目で見られることもあるかもしれないけど、それでも
乙武さんが前を向ける理由はなんですか?(6年生・男子)
※乙武さんは3年前まで、東京都杉並区で実際に教員をされていました。
映画では、乙武さんがモデルとなっている「赤尾先生」と、他の先生との
意見の衝突などの様子も描かれています。
確かに,僕は見た目も他の先生とは大きく違うし、やろうとしていた
ことも他の先生と違うことが多かった。だから職員室の中で、冷たい目で
見られることも時にはありました。でも「何を一番大切にしたいのか」
ということを僕は常に自分に問いかけるようにしていました。今自分が
やろうとしていることは、クラスのみんなのためになる、そう思えたら、
いくら自分が冷たい目で見られようが、それはやってみせよう、そういう
強い気持ちで先生をしていました。
乙武さんの苦手なこと、好きなことはなんですか?(6年生・女子)
苦手なことは、今回先生になって改めて感じたことですが,自分が
「本当にその通りだな」と思っていないことをすることです。僕は大学を
卒業してからどこかの会社に入るわけではなく、自分ひとりの責任で
お仕事をするということを7年間続けてきたから、初めて学校という組織の
一員になって、自分がそう思っていないことでも、しなければいけないことが
あって、それがすごく苦手だなと思いました。好きなことはやっぱり自分の
メッセージを伝えていくことです。それは、こうしてみんなの前でお話し
することだったり、文章を書くことだったりします。
(実際の授業のように、挙手した児童を「乙武先生」に当ててもらいました)
障がいがあって、どの仕事についたとしても変な風に思われることがあるかも
しれません。子どもがいる場面ではなおさらそう思われる場面が多いと思います。
それでも先生になろうと思ったきっかけはなんですか?(6年生・男子)
こういう体で生まれてくると、もしかしたら「なんで自分はこんな体で
生まれたんだろう」とか思う人もいるかもしれません。でも、僕は一度もそんなことを
思ったことがなく、生きていて楽しいな、毎日幸せだな、と思いながら成長することが
できました。それはなぜかと考えたとき、やっぱり、両親がこんな体であることを関係なく
愛情いっぱいに育ててくれたおかげだと思いました。それから30年近くたって、
今度は僕が大人の立場になり、上の世代から受けてきた恩を「恩返し」というよりは
「恩送り」というつもりで、次の世代に、子どもたちのために僕が力を尽くしていく番
だと思いました。そんな思いから先生になろうと思いました。
最後に乙武さんから児童へメッセージ
みんなそれぞれいいところも悪いところもあります。それは当たり前のことです。
一人ひとりが大切な存在です。自分のことをもっと大切にしてください。そして、
自分の目の前にいる人も、かけがえのない存在であると、そう感じてくれたら嬉しいです。
姪北小学校では、乙武さんの来校に向け、「五体不満足」の中に出てくる
「オトちゃんルール」を勉強しました
姪北小学校の薄(すすき)校長先生との対談もありました
薄校長先生からの「子どもたちはどうでしたか?」の質問に、乙武さんは
「深い質問がたくさんあってびっくりしました」とおっしゃっていました。
姪北小学校のみなさんにサインも書いていただきました
この日の出来事は姪北小の子どもたちにとって、忘れられない経験になった
のではないかと思います。
乙武さん、姪北小に来ていただいて、どうもありがとうございました
映画「だいじょうぶ3組」は3月23日公開です
(部員)