東京大と中国の清華大の大学院生が議論する「壁を越える 清華東大長城フォーラム」(朝日新聞社共催)が13日、北京の清華大校内で開かれた。歴史や尖閣問題を含む両国メディアの役割について、両大の大学院生計20人が自らの研究内容を英語で発表し合った。
「清華東大長城フォーラム」同フォーラムは2011年11月に開かれた「壁を越える 万里の長城での日中大学院生対話」に続く試みで、率直な議論を通じ、日中の若い世代の相互理解を深めようとのねらい。
張偉傑さんは尖閣(釣魚島)問題で悪化した日中関係について、日中などの主要メディアがどのような報道をしたかの調査内容を発表。「メディアによって報じる内容に偏向がある」と分析した。
東大側からは、菊地野々香さんらが政府による文化・広報外交(パブリック・ディプロマシー)とプロパガンダの違いなどについて発表。また、米国人留学生のアマンダ・ウェイスさんは「南京から硫黄島まで」と題して、南京事件などに対する米映画のとらえ方の変化を論じた。
東大側からは吉見俊哉・同大学院情報学環・学際情報学府教授のほか日本人、中国人、韓国人、米国人の同大学院生10人が参加。清華大側も崔保国・同大新聞伝播学院教授のほか中国人、日本人の同大学院生10人が参加した。
これに先立つ12日には、日中関係におけるメディアの役割などについて、吉見、崔両教授、朝日新聞の沢村亙編集委員の3人が基調講演を行った。(北京)
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朝日新聞国際報道部