週刊現代の記事で名誉を傷つけられたとして、吉本興業(本社・大阪市)などが発行元の講談社側に計7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は11日、110万円の支払いを講談社側に命じた。三角比呂(みすみひろ)裁判長は「記事は、反社会的勢力との交際を理由に同社が銀行から融資を断られたと指摘しているが、真実とは認められない」と判断した。
記事は2011年11月19日号の「吉本興業と闘った三菱東京UFJ銀行『恐怖の記録』」。吉本興業の株式公開買い付けで、吉本興業と反社会的勢力との交際への不安から同銀行が融資を断った――とする「行員の証言」を掲載した。
判決はこの部分を違法と判断。一方、吉本興業幹部が、融資を断られたために同銀行の担当者に「お前らの支店の前、街宣車で怒鳴りちらしたろか」と発言した、とする部分では「真実であるか、真実であると信じた相当の理由があった」と賠償責任を否定した。
週刊現代編集部は「こちらの主張がほぼ認められ、実質勝訴と考えている」、吉本興業は「名誉毀損(きそん)の責任を認めたのは妥当と考えるが、講談社側の責任を一部否定したのは極めて遺憾」との談話を出した。