国防

中国軍と自衛隊はどちらが優勢なのか?実戦経験のあるアメリカの軍人はこう見ている

2013.10.10(木)  北村 淳

 現状の海自・空自の戦力レベルでは、ミサイル防衛態勢と近海シーレーン防衛体制を固めるだけで、海自・空自の防衛資源は総出動を余儀なくされることになる。加えて、日本周辺から先の日本のシーレーンの大半は、日本自身で守れるだけの戦力を自衛隊は保持していないため、エネルギー源の途絶は覚悟しなければならなくなる。

“地味な”静的戦争で日本政府が屈服

 このように、現実の日中戦争は

「中国側の脅し」
→「自衛隊による迎撃態勢」
→「自衛隊の防衛資源の枯渇」
→「エネルギー源途絶の危機」
→「日本政府の屈服」

といったステップをたどり、「中国空軍や海軍が航空機や軍艦を押し並べて日本のどこかに侵攻し、空自や海自の迎撃部隊と戦闘を展開するといった」“派手な”戦闘からはかけ離れた“地味な”静的戦争になるであろう。

 したがって、上記のごとく繰り広げられている戦闘機・潜水艦・駆逐艦などの数や性能の比較、あるいは人民解放軍と自衛隊の指揮統制能力、訓練錬成度、士気レベル、忠誠心・愛国心といった(実際には比較が困難な)主観的要素の推定的比較などは、あまり意味を持っていないことになる。

 現在中国が手にしている対日威嚇手段、すなわち(1)大量の長射程ミサイルと(2)シーレーン妨害能力、そしてそのような威嚇から日本国民の生命財産や日本の国益を防御するために防御体制を固める自衛隊の各種防衛資源の(質はともかく)量を比較すると、日本人にとっては、そして同盟軍にとっても残念ながら、圧倒的に人民解放軍が優位を占めている。これが、実戦経験をもとにし、かつ実戦出動を前提にしたアメリカ軍関係者たちと達した結論である。

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