大津いじめ自殺:父「子供が法律になった」 命日に策定
毎日新聞 2013年10月11日 22時04分
いじめを受けていた大津市立中学2年の男子生徒が自殺してから11日で2年となり、同市役所で生徒の父親(48)が記者会見した。生徒の自殺をきっかけに施行された「いじめ防止対策推進法」の基本方針が同日策定されたことに触れ、「子供が法律になったような思い」と心境を語った。
同法はいじめの防止や調査について学校や自治体、国の責務を定めており、文部科学省が運用のための基本方針を策定。その過程で父親は、公平・中立性が確保された第三者による調査や、調査結果の遺族への公表について規定を盛り込むよう要望していた。
父親は基本方針の内容を「魂が吹き込まれ、法律がしっかりとした形になった」と評価。策定が命日になったことについて、「法律に子供がいるような、法律が子供のような思い」と述べた。
一方、通学先だった中学校では「命を思う集い」が開かれた。集会は非公開で、生徒と教員ら計880人が参加。出席した市教委職員によると、全員が黙とうし、校長が「悲しい事実にしっかり向き合い、二度と同じことが起こらないようにしてほしい」と呼び掛けた。当時1年生だった3年生が詩人・谷川俊太郎さんの詩「生きる」を読み上げ、全校生徒と教員が折り紙で作った飾り「命のシンボル」も披露された。
市役所でも職員が黙とうし、越直美市長は「子供たちが安心して過ごせる責務が私たちにあることを自覚し、いじめ対策を全力で進める決意を確認したい」と述べた。【石川勝義】