汚染水が漏れたタンクと、汚染水が海に漏れたとみられる経路=3日午前、東京電力福島第一原発(朝日新聞本社ヘリから、金川雄策撮影) |
政治は、よりよい結果をつくるために存在するはずです。現在の衆議院と参議院で多数派となった安倍政権は、電力会社も含む経済界とともに「原発再稼働」に突き進もうとしています。このままだと、福島第1原発事故で避難をしている16万人の人々の声がかき消されるように、日本はふたたび「原発依存」の道に戻る流れにあります。
「原発再稼働」「原発再依存」について世論は慎重です。
朝日新聞のアンケート調査によると、東京電力福島第1原発の汚染水問題をめぐり、安倍首相が東京五輪の招致演説で「状況はコントロールされている」と発言したことについて、「その通りだ」と受け止めた人は11%にとどまり、「そうは思わない」と答えた人は76%にのぼっているそうです。
「原発ゼロ」に否定的な議員の多い自民党政権ですが、「原発再稼働」と「原発依存のエネルギー政策への回帰」については明らかに、「世論と永田町とのねじれ」が生じているのです。
ここまで世論が現状を厳しく見ているにもかかわらず、政治の場で、「原発ゼロ」の流れが強まらないのは、野党の側に責任があると感じます。議席数による力の差だけではなく、志や理念に根ざした知恵を総結集しなければ、原発依存への流れを押し返すことはできないように思います。
「原発ゼロ」は実現可能だし、逆行をしてはならない。1度でも逆行を許すと、無為な時間を費やすことになりかねません。定期点検などによって原発がすべて停まっている今がチャンス。ひとりでも多くの味方をつくるのが、私の役割です。
1955年、宮城県仙台市生まれ。世田谷区長。高校進学時の内申書をめぐり、16年間の「内申書裁判」をたたかう。教育ジャーナリストを経て、1996年より2009年まで衆議院議員を3期11年(03〜05年除く)務める。2011年4月より現職。『闘う区長』(集英社新書)ほか著書多数。
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