みのひだフォーカス:アルコールなど女性依存症者グループ 仲間と一緒に回復の道へ /岐阜

毎日新聞 2013年10月13日 地方版

 ◇「本音話せて楽になった」

 アルコールや薬物などの依存症者やその家族たちを支える輪が、県内で広がりをみせている。当事者らが中心となって各地で自助グループなどを設立し、「仲間と一緒に回復への道を」と、ともに支え合いながら活動を展開している。【加藤沙波】

 オルゴールの音色が響く8畳ほどの部屋に、さまざまな世代の女性たちが集う。じゅうたんを敷いた床に座り、テーブルに並ぶお菓子を食べたり、寝転んだり。ゆったりした雰囲気の中で1人ずつ近況や過去の自分について語り出す。「ここに来て、仲間に話を聞いてもらえることで気分転換になる」。参加者の一人から笑みがこぼれた。

 今年2月、アルコール依存症の治療などを行う各務原病院(各務原市)の一室で、県内唯一の女性当事者だけのグループ「クロッカスハイ」が誕生した。週2回、アルコールや薬物、ギャンブル依存、摂食障害などを抱えた10〜70代の女性たちが集い、テーマに沿って自分自身や家族のことなどを打ち明ける。

 背景が複雑に絡み合い、回復が難しいと言われる女性の依存症。女性だけが集うクロッカスハイは、女性独特の問題や本音を言いやすい雰囲気になるという。メンバーの話に共感したり、回復者らの体験を聞くことで目標を見いだしたりしながら、徐々に回復を目指す。いずれは地域の自助グループなどへつなげることが目標だ。

 「言葉に出すと、どんどん楽になった。仲間とともに回復していく感じがした」。グループを“卒業”し、8月から岐阜ダルク(岐阜市)に通う同市の女性(31)は振り返った。

 20代半ばで結婚したが、夫との関係がうまくいかなくなり、アルコールや処方薬に依存するようになった。「現実から逃げたかった。飲んでいないと不安だった」と、缶酎ハイをそばに置き、1日中飲み続けることもあったという。

 28歳で精神科に入院。アルコール依存の自助グループにも通ったが、クロッカスハイに参加した今年、ようやくアルコールや薬物が止まった。「女性同士で、同じ問題を抱えている人が多い。これまで隠してきたことを素直に話せるようになり、解放された気がする」

 グループを主宰するソーシャルワーカーの沢木幾佐さん(43)も、薬物依存や摂食障害などに悩まされてきた。沢木さんは「回復は仲間の支えがあってこそ。気軽に立ち寄れる、日だまりのような場所でありたい」と願っている。

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