FC2が権利団体から訴訟されてた件
FC2は会社がラスベガスにあり日本国内での管轄が認められないため、国内から裁判を起こすことができなかったが、2012年の民事訴訟法改正で「日本で事業を展開しながら支店を有していない場合、国際管轄を認める」との規定が追加されており、2月20日にFC2.Inc社に対しブログ投稿者の情報開示を求める仮処分命令が下った事は記憶に新しい。
今回、
特定非営利活動法人知的財産振興協会(IPPA)がFC2.Incに対して訴訟を起こしたという情報が公開された。
FC2,Incに対する訴訟提起に関するお知らせ
http://www.ippa.jp/news.html
特定非営利活動法人知的財産振興協会
当協会加盟5団体の会員であるアダルトメーカー7社は、「FC2動画アダルト」(http://video.fc2.com/ja/a/)
を運営するFC2,Inc(101 Convention Center Dr. Suite 700 Las Vegas, NV 89109, United States of America)に対し、
複製権及び公衆送信(送信可能化を含む。)を行う権利を侵害する主体であるとし、各社が著作権を持つ映像著作物の公衆送信・送信可能化の停止、
複製物の削除、及び損害賠償 合計約6,500万円を求める訴訟を東京地方裁判所に提起致しました。
訴状は、アメリカ ネバダ州ラスベガスのFC2,Incへ送達され、平成25年7月26日に到達。平成25年10月2日には、第1回口頭弁論が開かれました。
当協会は、数多ある投稿型動画配信サイトにおける著作権を無視した無法状態に一石を投じるべく、原告7社と共に本問題に取組んでまいります。
【原告7社】
有限会社ビタミンエー
株式会社CA
ジャパンホームビデオ株式会社
株式会社ケイ・エム・プロデュース
有限会社プレステージ
SODクリエイト株式会社
(訴状記載順)
そもそもIPPAってなんだ?
特定非営利活動法人 知的財産振興協会ほとんどの人は聞いたこともない(私も全く知らなかった)であろう団体だが、設立は2011年5月。アダルトコンテンツメーカーやレンタル店、販売店などで構成される業界団体(コンテンツ・ソフト協同組合、ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合、日本映像ソフト制作・販売倫理機構、一般社団法人東日本コンテンツ・ソフト、全日本ビデオ倫理審査会)が中心となり、知的財産の保護を目的に設立した団体。
海賊版の販売店の摘発のみならず、インターネット上でも積極的に著作権違反コンテンツの摘発・削除に協力しており、FC2動画ではアダルトカテゴリにアップロードされた著作権を無視した動画の削除をこの団体の名義で行っているようだ。
訴訟内容が認められたらどうなるか私が
過去の記事で調査した、FC2動画での違法コンテンツの割合は約8割であった。しかし、これは一般カテゴリのもので、アダルトカテゴリではその殆どが違法コンテンツと予想される。もし、訴訟内容が認められ損害賠償が確定すれば、違法コンテンツに依存したFC2動画の運営体制が崩壊する事は確実だろう。
逮捕者が続出しているFC2動画、その大本の今後がかかった(私的には)大ニュースなのだが、IPPAのHP上に情報がこっそりと公開されただけというのは少し心許ない。もっとも、まだ口頭弁論が行われただけで、今後争点の確定や証拠調べ、和解の試みなどを経て判決が言い渡されるわけだが、この判決が注目を受けるのは間違いないだろう。
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参考:民事訴訟の流れ
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