ＪＲ大阪駅周辺で路上生活者が少年グループに襲われて計５人が死傷した事件から１年を迎えるのを前に、大阪市北区の教会で１２日、死亡した富松国春さん（当時６７歳）の追悼集会が開かれた。同市西成区の公園で生活する男性や、路上生活者の見回り活動をする若者らが参加し、同様の事件を繰り返さないために意見を交わした。

　事件では１０代の少年グループが殺人容疑などで逮捕、起訴された。集会では、事件以降も若者による襲撃事件が相次いでいることが報告された。西成区の公園では７月中旬、男性が生活しているテントに花火が投げ込まれるなどしたという。

　参加者からは「路上生活者への偏見は大人が教えている。大人を変えるのは難しいが、教育の場で子供の偏見をなくすことが一番の早道になる」といった意見が出された。【武内彩】