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今回で「hotexpress」としては3回目となった亜矢へのインタビュー。デビューアルバム「戦場の華」、7 ROCKS ALBUM「禁じられた歌」、それぞれのリリース時にやらせていただいたインタビューの内容もかなり濃いものとなったが、セカンドフルアルバム「BAGHDAD SKY」のリリースから2004年最初のワンマンライヴの間のタイミングでやらせていただいた今回のインタビューは、亜矢史上というより、「hotexpress」史上で見ても今までにないぐらい濃い内容のものとなった。一点の曇りも嘘も偽りもない彼女の“リアル”な言葉・・・中には話したくない話もあったかとは思うが、それでも真剣にこちらの質問に答え続けてくれた彼女に今僕は感謝の気持ちでいっぱいである。まぁ僕のゴタクはどうでもいい、彼女の言葉を体感してほしい。 × Tetsuo Hiraga 「BAGHDAD SKY」 01.Blue Butterfly 02.NOBODY 03.1999 04.路上の影 05.we. 06.ミス・ロックンロール 07.雨に唄えば 08.Betty 09.DEAD END 10.バグダッド・スカイ ¥3,000(tax in) 2004.6.9 in STORES (C) BMG FUNHOUSE http://www.bmgrock.com/aya/index.html ◇このCDを購入、 または過去の作品を知りたい方はこちらまで◇ |
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で、地上ではすごく醜いことが巻き起こっている中で、いつ来るか分からない平和を夢見て、バグダッドの空にはそういう希望とか願いとか、色々な人の想いが渦巻いているように私には見えて。その時の自分の心境とすごくリンクしたというか、私も今回アルバムを出せるかどうか、すごく不安だったし、本当は「出せないかも」ってちょっと思ったりしていて、諦めた時もあったんですけど、最後の最後に「BAGHDAD SKY」っていうタイトルを決めたのが、果てしなくどこまでも晴れ渡ってる、眩しいギラギラした空、私はそこに行きたいって。空に行きたいんじゃなくて、眩しい方向へ進んでいきたいなって本当に思って。それは私がそうやって望むときっとそこに行けるんですよね。そんな想いを託しましたね。 −それでは、その「BAGHDAD SKY」の各収録曲について聞かせていただきたいんですが、まず1曲目の「BLUE BUTTERFLY」。この曲に関してはどんなイメージを膨らませながら作っていったんですか? A:これはですね、私最近ちょっとドラムをやり始めまして、リハの休憩タイムの10分とかの間なんですけど(笑)、一生懸命叩いている時に、バンドのギタリストが「BLUE BUTTERFLY」のリフを弾き出したんですね。それからどんどん2人で盛り上がっていって、サビの部分とかガーッ!てやってたら、「イイじゃん!これ曲にしようよ」って。そこからライヴ用のリハを一旦中止して、4人でセッションしているうちにすぐ出来ました。 −その時にある程度固めてしまった? A:うん。 −すごいですね。完全に即興だったんですか? A:即興で。で、その2日後にライヴがあったんですけど、そこですぐに披露した。 −早いっすね(笑)。その時は「おととい出来た曲です」とか言ったんですか? A:言ってないです。 −誰もそんなこと思わないですよね。 A:スラーッとやっちゃった。 −じゃあもう今までの亜矢さんには無い作り方というか。 A:その時のアンケートとか見ると意外に反応が良くって。結構みんなビックリしてましたね。下手クソでビックリしてたのか分からないけど(笑)。みんなちょっと固まった感じになっていたんじゃないかな。これはちょっと面白いなと。 −「BLUE BUTTERFLY」という言葉自体は、何を形容した感じなんですか? A:私の一番の親友である子の腰にキレイな青い蝶々のタトゥーが入ってるんですよ。彼女、突然軍人さんと結婚して海外に行っちゃったんですけど、すごく自由な女の子で、蝶のようにいつも色々な男のところに留まっては、最後はすごく幸せになって飛んでいったなっていう。あと、東京に来て行った海に結構大きな青い蝶々がいたんですよね。いるべきじゃない場所に蝶々が飛んでるっていう現実に、すごく感動しちゃったんですよ。そういう自由な感じで、そこが海でも空でも海外でも宇宙でも、ひらひら飛んでいけたらステキだなと。そんな感じのイメージですね。 −続いて、2曲目の「NOBODY」。この曲はどんなイメージを広げて作っていった感じですか? A:私、よく街に出てすごく不安になることがあるんですよ。「私、生きてるのかな?」とか(笑)。で、自分の影を見て「あぁ生きてる」って。もしかしてさっき車が通ったところで本当は死んでいたんじゃなかな?って、よく思ったりして。自分が今生きてるっていう象徴は影と血だと、ずっと思ってるんですけど、街に行くと自分の存在もそうだけど、言葉を交わさないですれ違う人たちっていうのは、すべて他人というか、その人の人生には現れていない人間というか、そう思うと例え生きていてすれ違う人たちがいても、私の人生に関わらなかった、誰でもない「NOBODY」な人。最近ちょっと目が悪いせいかみんな同じ顔に見えて、みんな同じようなファッションしてるし。顔とかそういう肉体っていうのはあってないようなもので、魂の方が生きてるんじゃないかなっていうか・・・ごめんなさい、ちょっと狂ってる(笑)。 −いえいえ(笑)。 A:神様が人間を作ったって言われてるけど、誰も会ったことがないんですよね(笑)。そういうものに囚われてるだけで。じゃあ自分が神でイイじゃんって。自分の神は自分だ!みたいな。すべての決定権を持っていて、幸せに向かっていけるのも自分、陥るのも自分。 −その感覚はすごく分かりますね。あと、この楽曲自体は今までの亜矢の楽曲の中でも超攻撃的なナンバーの部類に入りますよね? A:リハに行く前にちょっと時間があったから、部屋でギターの練習をしていたんですけど、そこでふと思いついたのがイントロのリフ。で、スタジオ行ってまた弾いてるとメンバーが加わってきて、適当にジャムって。そこからとにかく「何故なんだ!」っていうことを叫びたかった。「何の為に生きてるんだ!」、「私は誰なんだろう!?」みたいな。 |
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どんなメッセージ性というか想いを歌詞に書いたんですか? A:私がすごく日頃思っていることとか。格好付けてない、気張ってない、私の等身大のような感じがして。15才でバンドを組んだあの頃のままの幼稚な自分というか。 −あと、この「ミス・ロックンロール」のPVには、土屋アンナさんが出演しているそうですが、元々何がキッカケで知り合いになったんですか? A:アンナちゃんは以前Spin Aquaというバンドもやっていて、一緒に対バンしたことがあって。アンナちゃんが私の曲とか気に入ってくれたりして、私も彼女の声とかすごく好きだったり。で、一緒に飲んだりとかしたら、結構分かり合える子で。 −それで、どういった経緯で「ミス・ロックンロール」のPVに出てもらうことになったんですか? A:あの子はロックンローラーというか、もう生き方がすごくヤンチャだし、日本のプチ・コートニー・ラヴみたいな感じがしてて、中指を立てた姿が似合う子は絶対アンナちゃんしかいないだろうっていうことでお願いしたら、「やる!やる!」って(笑)。 −実際、PVが上がってきてどうでした? A:今回は今までと全く違う風にして、自分が履きたいと思ったからなんだけどスカートとか履いちゃったりして。とにかくいつもリハとかでやってる自然の姿。今までだと「カメラに襲いかかってきても良いから、ブチ切れて!」っていうオーダーが多かった中で、今回はカメラがいることを忘れて、「カメラを見ないで自然にやって」って。だから缶ビール飲みながら、みんなでセッション風にやらせてもらったんですけど。なんか爽やかですよね。重いモノがすべてドサッと落ちたような。純粋にすごく楽しめたし。 −続いて、7曲目の「雨に唄えば」なんですが、この曲も「ミス・ロックンロール」に負けないくらいノリの良い曲になってますけど、この曲はどんなイメージを広げて作っていった曲なんですか? A:これはですね、とにかく疾走感を失いたくなかったんで、しかもギターリフを1本で、あまりド派手な展開の曲にはしたくなかったというか、メロディもいっぱいあってという曲にもしたくなくて。例えて言うならTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとか、そういうロックンロールってあまり作ったことなかったんで。あと、映画『時計じかけのオレンジ』で「Singin' in the rain」を歌いながら人を蹴りまくるような、そういう愉快な中の狂気というか、どこか突っ張っていながらもその中身はすごい空洞だったり。私、よくオールナイトの映画を観に行くのが好きで、そういう時に映画を観ていてもすごく心細くなったりとか、でも外に行けば全然平気な顔をしていたりとか。本当は東京に出てきてすごく不安なんだけど、変に強がったりとか。そういった人間のギャップをイメージして作った曲ですね。 −この曲の歌入れはどうでした?聴いた印象では、かなり気持ちよくハマっているなと感じたんですけど。 A:エンジニアの方と2人だけで録ったんですけど、とにかく自分が好きなように歌って(笑)。で、自分が満足いくまで歌ったら「もういいや」って止めて。で、時間も無かったので、そのあとすぐミックスのスタジオに向かって。とにかくサウンドも歌も好き勝手やりました(笑)。 −続いて、「BETTY」ですけども、この曲もレコーディング自体かなり熱い感じだったんですか? A:うん。すごくテンションが高かったから、速いスピードで録っちゃったというか。何かを考えてるヒマもなく、その時のテンションがそのまま出てる感じで私は好きなんですけど。 −「BETTY」は、想い的にはどんな想いを爆発させている曲なんですか? A:ある意味、自分の中の嫌いな自分っていうのを“BETTY”というのに例えたのかもしれない。その中でストーリーを組み立てていって。酒にただただ溺れていた時の自分、そんな自分はちっともカッコ良くないし、私が望んでもいない姿だよっていう、そういうのがあると思いますね。特に意識したわけじゃないけど、すごく自分が嫌だった時の自分というか。 −それで自然に出てきた言葉が“BETTY”っていう? A:“BETTY”っていうのは、私が15才の時に組んでいたバンドの名前で、エリザベス女王の愛称の“BETTY”から取ったんですけどね、「可愛いな」って。ベティー・ブープをイメージしたり。 −マスコットみたいなイラストがありましたよね。 A:そうそう。 −あれが“BETTY”ですか? A:BETTYちゃん。マリリン・モンローのちょっと違うバージョンっていうか。 |
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