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20歳の時に、音楽をしに北海道から東京へ上京したそうですが、なにがきっかけだったのですか? |
15歳で高校をドロップアウトしてから、家を出て北海道中を転々としていたんです。でも、特にやりたい事がある訳でもなく、どこか満たされない気持ちでずっといたんですね。バンドにも入っていましたが、音楽は趣味みたいなものでした。それが20歳の時に、飲み屋である俳優さんに出会って、いろいろと相談に乗ってくれたんですよ。その時にその人が『自分が仕事だとは思わないような事を仕事にするべきだよ』と言ってくれたんです。その言葉に凄いショックを受けて、『このままじゃいけない』と思って、その3日後には北海道を出たんです。 |
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上京後、あるバンドのヴォーカルに抜擢されるもメジャーデビュー直前で、バンドのリーダーが他界するという悲劇に遭ったそうですが? |
上京して初めて出来た知り合いに誘われて、あるヴォーカル・オーディションを受けたんですよ。そうしたら合格してしまって、あれよあれよという間にデビューが決まって…。ダンス系のポップス・バンドだったんですよ(笑)。全然自分が好きな音楽じゃなく、どこか後ろ髪引かれるような気持ちで唄っていたんですけど、リーダーが他界してバンドが空中分解しちゃって…。その時に『自分の好きな音楽をやりたい。自分の想いを曲にしたい。』と思って、狂ったように曲作りを始めました。 |
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それから米軍基地や渋谷の街頭で唄っていた、と聞きましたが? |
東京で数少ない友人の彼氏が米軍兵士だったんで、1度米軍基地のパーティーに遊びに行ったんです。そこでたくさんのアメリカ兵と友達になったんですけど、彼らは日本に来たくて来た人達では無いんですよね。家族と離れて異国に住んでいる彼らが、北海道から離れて東京に住む自分と同じような気持ちを持っていると感じて、すごく居心地が良かったんです。それから基地には週に3、4日は通ってましたね。あるパーティーに行った時に、そこにギターが置いてあったので、なんとなく自分の曲を弾いて唄ってみたんですよ。そうしたら私の周りにどんどん人が集まりだしてきて、曲が終わったら拍手しながら「もっとやってくれ」って言ってくれて…。自分が作った曲で、人を楽しませる事が出来るんだと思えると嬉しくて…。それからはそこで兵隊さん達を前に唄うようになりました。それと共に、渋谷の駅前でも唄い始めるようにもなりました。それからはバイトに行く時間も惜しいぐらい曲作りをして、曲が出来たら渋谷や米軍のパーティーに行って唄っていました。 |