毎日新聞(神奈川版)の記事に対する武雄市の考え

訴訟:鎌倉市、契約業者を巡りトラブル 名産ネット販売に影響も /神奈川、と題して、毎日新聞ネットで報道

まず、毎日新聞の報道内容自体は正しいのですが、見出しがいただけない。それはともかく、目下、係争中ですので、今までの市議会やマスコミの皆さんにお話しした内容をそのまま書きたいと思います。今日はさすがに、長いので、関心のない方はパスされて結構です。


原告の男性は、企業連合の協定書に武雄市が連帯債務を負う条項があるため、「地方公共団体が法人の債務について保証契約できないとする法律に違反すると主張し、協定書が違法であるから、それに基づく11自治体と結んだ業務契約委託契約も違法だ。」と主張しておられます。

原告は、協定書は、「法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律」第3条に違反していると主張。武雄市の顧問弁護士に確認したところ、公と民の事業を規制するものでもなく、この法律で述べられている「保証」というのは、企業の資金について調達しやすいように自治体が保証を与える。つまり金融保証ととらえられているとの見解でした。また、当然、法律で禁止されている金融保証をやったことありません。

瑕疵担保や解散などで発生する債務等については協定書のなかの連帯債務については、地方自治法第211条、第214条及び第218条をたてに議会の議決を経ていないので、協定書が無効である主張されていますが、そもそも債務が発生していない、予期できないのに予算計上するには無理があります。

また、協定書の中の第9条、第14条、15条及び16条は、一般的な設置条項で、これまでに発生もしていないし、協定書では企業連合から脱退した場合、新たに生じる経費は、脱退したものの負担となっているし、構成員が破産や解散した場合でも、残されたもので業務は分担するけれど、債務を引き継ぐことは言及していません。企業連合内において構成員は、それぞれの業務、権限の中で、責任をもつという役割分担になっています。

協定書の内容については、武雄市の顧問弁護士に相談、確認をしておりますし、もちろん、脱法、違法行為をしているわけではありません。

さらに、念には念を入れて、武雄市の顧問弁護士に相談、確認の上、株式会社サティスファクションギャランティードジャパンが参画の際、誤解があってはいけないので、F&Bホールディングス企業連合協定書(FaceBookページ及びF&B良品ページ構築に係る業務に関する包括的業務委託企業連合協定書 平成25年9月2日改正分)において連帯責任等、誤解を招く文言は削除しています。

以上、今まで申し上げてきたことを書きましたが、あとは司法の場で、私たちの見解を申し上げたいと思っています。


ちなみに、松尾崇鎌倉市長のFacebookでは、以下のコメント。

鎌倉sgについて】
(少し長い文章ですが、最後までお読みいただけましたらありがたいです)

鎌倉市では、インターネット(ホームページやfacebook)を活用し、鎌倉の名品・特産品・イベント等を紹介・販売する通信販売サイト「鎌倉sg」のオープンに向けて、現在、準備作業を進めています。

この事業について市民の方々が不安に感じる様な報道(武雄市に対する住民訴訟)がありましたので、私の事業に対する想いと、考え方について書きます。

この仕組みは、市がサイト運営を行い、ホームページとfacebookを連動させ、商品等を販売するものです。

fecebookを活用することで、出品する商品等への生産者の想い、商品等にまつわるストーリー、背景などを広くお伝えすることが可能となり、商品への関心と共に、鎌倉への愛着をも抱いていただけるものと思っています。

この事業は、佐賀県武雄市からスタートしたもので、既に16の自治体で進められていますが、鎌倉市においては「鎌倉sg」の運営を通じて、地域経済の活性化、市内事業者の支援・育成だけではなく、雇用の創出、若年層の定住促進にも繋げていきたいと思っています。

また、出店料がかからない、受注・決済・配送のシステムが構築された手軽な仕組みを提供することで、小規模な事業者の方やインターネットに不慣れな方々の出店機会(販路拡大)にも繋げていきたいと思っています。

鎌倉市役所がこの様な事業に取組むことで、職員が市内の生産者の方々、商業者の方々をはじめとする様々な事業者の方々と触れ合い、共同で事業を進めるという新しい産業振興のスタイルを創っていきたいとの想いもあり、実施しているものです。

この事業は、鎌倉のさらなる魅力創出、ブランディングを目指していくものであり、事業を行うことで鎌倉のブランドイメージを損なうようなことはもちろん、出店者の方々のブランドや信用を損なうことは、決してあってはならないと思っております。このことを第一に考え事業を進めてまいります。

今回の事案は、本市が契約を締結した後のことで、現時点では、武雄市に対し住民訴訟が提起されたという報道がされている段階です(武雄市も訴状を確認できていない状況の様です)。このため、本市の対応としては、契約に基づき、魅力的なサイトとなるよう準備に注力してまいります。
もちろん、契約先の企業連合へ情報提供を求めるとともに、他の実施自治体の情報なども収集し、しっかりと経過を見守り、必要な対応をとっていきたいと考えています。

市として最も重要なのは、この事業を進めていくことであり、当然のことではありますが、契約書には、これを担保するための条項を設けています。
いずれにしましても、市民や事業者の皆様にとって有意義なものとなるよう事業の推進に取り組んでまいります。皆様のご理解、ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。


(参照)
★地方自治法
第9章 財務 第2節 予算
第211条 普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。(以下略)
第214条 (前略)普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない。
第218条 既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、これを議会に提出することができる。(以下略)

★F&Bホールディングス企業連合協定書(FaceBookページ及びF&B良品ページ構築に係る業務に関する包括的業務委託企業連合協定書 平成24年3月9日)抜粋
(業務の分担)
第9条 各構成員の業務の分担は、別表1に定めるところによるものとする。
2 別表に定めがない業務が発生した場合には、構成員で協議し分担を定めるものとする。
(受託途中における構成員の破産又は解散に関する措置)
第14条 構成員のうちいずれかが受託途中において破産又は解散した場合は、残された構成員は共同連帯して当該構成員の分担業務を負うものとし、発注者の指示に従い本業務を完成させるものとする。
2 前項の場合においては、前条第2項及び第3項の規定を準用する。
(解散後のかし担保責任)
第15条 当企業連合が解散した後においても、成果物につきかしがあったときは、構成員全員が共同連帯してその責に任ずるものとする。
2 構成員のうち受託途中において第13条又は第14条の規定により脱退したものがある場合、残された構成員が前項による責に任ずる。
(協定書に定めのない事項)
第16条 この協定書に定めのない事項は、運営委員会において定めるものとし、本業務の履行に関し特に必要がある事項については、発注者と協議の上決定するものとする。
(別表1)
企業名 業務名
武雄市 自治体向け導入支援 に関する業務
株式会社アラタナ 販売システムの構築 に関する業務
株式会社SIIIS フェイスブックページ構築及び運用に 関する業務



★F&Bホールディングス企業連合協定書(FaceBookページ及びF&B良品ページ構築に係る業務に関する包括的業務委託企業連合協定書 平成25年9月2日改正分)

(目的)
第1条 当企業連合は、Facebookページ及びFB良品ページ等の構築に係る業務を共同連帯して実施することを目的とする。
(名称)
第2条 当企業連合は、 F&Bホールディングス企業連合 と称する。
(事務所の所在地)
第3条 当企業連合は、事務所を 株式会社SIIIS に置く。
(成立の時期及び解散の時期)
第4条 当企業連合は、平成25年9月2日に成立し、その存続期間は2年とする。ただし、この存続期間を経過しても当企業連合に係る本業務の契約の履行期間終了後1年を経過するまでの間は解散することができない。
2 前項の期間は、構成員全員の同意を得て、これを延長することができる。
(構成員)
第5条 当企業連合の構成員は、次のとおりとする。
(1) 名称  武雄市
(2) 名称  株式会社SIIIS
(3) 名称  株式会社サティスファクションギャランティードジャパン
(代表構成員)
第6条 当企業連合は、 株式会社SIIIS を代表構成員とする。
(代表構成員の権限)
第7条 当企業連合の代表者は、本業務の受託に関し、当企業連合を代表して、次の権限を有するものとする。
(1)発注者及び監督官庁等と折衝する権限
 (2)代表者の名義をもって見積、入札、契約並びに委託代金の請求及び受領をすることに関する権限
(3)入札及び委託代金の受領に関する代理人の選任についての権限
(4)当企業連合に属する財産を管理する権限
 (5)その他本業務に関して必要となる一切の事項を執行する権限
(業務の分担)
第8条 各構成員の業務の分担は、別表1に定めるところによるものとする。
2 別表1に定めがない業務が発生した場合には、構成員で協議し分担を定めるものとする。
(権利義務の譲渡の制限)
第9条 構成員は、発注者及び構成員全員の承認がなければ、本協定書に基づく権利義務を第三者に譲渡することはできない。
(受託途中における構成員の脱退に対する措置)
第10条 構成員は、発注者及び構成員全員の承認がなければ、当企業連合が本業務を完成する日までは脱退することができない。
(協定書に定めのない事項)
第11条 この協定書に定めのない事項は、構成員による協議により定めるものとし、本業務の履行に関し特に必要がある事項については、発注者と協議の上決定するものとする。

(別表1)
企業名      業務名
武雄市      自治体向け導入支援 に関する業務

株式会社SIIIS 販売システムの構築 に関する業務
         及びフェイスブックページ構築及び運用に 関する業務

株式会社サティスファクションギャランティードジャパン

「satisfaction guaranteed」ブランド展開の監修 に関する業務
Facebook及び店舗等を活用した商品の販売促進 に関する業務
by fromhotelhibiscus | 2013-10-11 16:46 | Trackback | Comments(0)
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