博物館側は「一般客として来場されたことは聞いているが、面接の申し入れもなく、ましてや返還請求も受けていない」と困惑する。
朝鮮半島由来の文化財の帰属は、65年の日韓基本条約で最終的に解決している。このためか、韓国側は「小倉コレクションは65年当時には個人所有だったが、いまでは国の所有物なので返還すべき」とも主張する。だが、文化庁の担当者は「コレクションを所有しているのは国立博物館で、国ではない」と語る。
前出の三原氏は「韓国メディアと韓国政府の意見は違うはず。日韓基本条約の破棄は考えにくいが…」といい、続ける。
「安倍晋三首相は『対話のドアは開いている』と呼びかけているのに、朴槿惠(パク・クネ)大統領はそれを拒否して、『日本の指導部のせいで信頼関係が築けない』と責任転嫁している。ともかく、自分が正しければ逃げ隠れする必要などないはずです」 (安積明子)