コーナン不明朗取引:第三者委員会を設置 社長が謝罪
毎日新聞 2013年10月11日 20時28分
ホームセンター大手「コーナン商事」(本社・堺市)の疋田(ひきた)耕造社長(84)と女性取締役(50)が不明朗な取引に関与した疑いがある問題で、疋田社長は11日、大阪市内で記者会見し、取引に問題があったことを認めて謝罪した。外部の弁護士らによる第三者委員会を設け、実態を解明することも明らかにした。調査結果次第で疋田社長は引責辞任するという。
コーナンは2006年、女性取締役が実質経営する不動産管理会社「ハルカム」から堺市南区の土地を借りる契約をした際、会社法が定めた取締役会の承認を得なかった疑いがある。疋田社長は当時、ハルカムの監査役を兼任し、土地の購入資金約1億5000万円も、疋田社長が個人的に女性取締役に貸し付けていた。
疋田社長は会見で、「当時は軽く考えていた。取締役会の承認が必要だった」と話し、会社法に抵触する疑いがあることを認めた。そして「不透明な取引だった。顧客や株主の皆様に多大なご迷惑をかけた」と述べた。
また、疋田社長が上海のマンション購入資金として約1200万円を女性取締役に贈与。コーナンがこのマンションを上海事務所として借りていたが、女性取締役の親族には03年ごろから11年8月まで、賃料などの名目で月4万〜10万円が払われていたという。疋田社長はこの支払いについても「思慮が足らなかった」と話した。
コーナンは第三者委と連携し、1カ月後をめどに調査結果を公表する方針。【藤田剛、宇都宮裕一】