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朝鮮半島での大虐殺の衝撃 講和発効まで(38)
日米外交60年の瞬間 特別編集委員・伊奈久喜

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2013/10/12 7:00
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■危機感深める国連軍

「蜜月時代」を誇示する現在の中国・習近平国家主席(左)と韓国・朴槿恵大統領(インドネシア・バリ島で、聯合=共同)
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「蜜月時代」を誇示する現在の中国・習近平国家主席(左)と韓国・朴槿恵大統領(インドネシア・バリ島で、聯合=共同)

 前駐日英連邦軍総司令官のロバートソン中将は14日、シドニーで記者会見し、「共産軍は迫撃砲、ロケット砲、戦車、軍用機によって今までよりもよく整備され、われわれの被害は今後ますます増大するかもしれない」と語った。国連軍は苦境にあった。

 同中将は「共産軍は無限の補給と弾薬を持ち、国連軍一個師団の受け持ち地区に1時間に砲弾が2000発落とされたこともある」とも述べている。軍事的攻勢、虐殺、休戦会議打ち切りの示唆などの強硬姿勢をとる共産側とは、どんな勢力なのか。

 背後にいるのはスターリンのソ連である。前線には北朝鮮軍、そして「義勇軍」を出す中国がいた。後にたもとを分かつことになるソ連と中共と呼ばれた中国はこの段階では一体だった。

 パリでの国連総会では13日、中国を総会に出席させるべきだとする動議をソ連が提出し、アチソン米、ヴィシンスキー・ソ連両首席代表が激論した。結果は37票対11票(棄権4票)で否決された。

 51年当時のニュースをみると、現代と重なるものもあれば、まったく重ならないものもある。中ソ関係はどちらなのだろうか。当時は一体だったが、後に敵対し、ソ連がロシアになったいまは、はっきりしない。

 不思議にさえ思えるのは、現在の韓国と中国の関係である。濃密な経済的相互依存関係を持ち、政治的にも良好であり、歴史問題で日本に対して共同戦線を張る。

 今回触れた韓国の民間人に対する虐殺は、日本との歴史問題よりも新しい問題でもある。朝鮮戦争での韓国人の犠牲は数百万人といわれるが、現在の韓国政府と世論は、それに対する記憶を喪失したかのようにみえる。

 歴史とは政治の手段なのだろう。東アジアの政治力学のなかで当時もいまも日本にとっては日米関係が重要だった。

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