金融機関:東電融資770億円を継続 収益改善へ見通し
毎日新聞 2013年10月12日 07時15分
三井住友銀行など28の金融機関が、今月末に借り換え期限を迎える東京電力への約770億円の融資の継続を決めた。東電の主要取引行でとりまとめ役の三井住友銀に対し、地銀や農協系など他の27金融機関すべてが、合意期限の12日を前に継続の意向を伝えた。東電が先月末、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6、7号機の再稼働に向けた安全審査を、国の原子力規制委員会に申請したことなどで、各金融機関とも東電の収益改善に一定の見通しが立ったと判断した。
東電は昨年5月にまとめた総合特別事業計画で、柏崎刈羽の再稼働を前提に、2年連続の経常赤字から今年度に黒字転換する見通しを示していた。しかし、再稼働を急ぐ東電に地元の新潟県知事が反発。今夏以降、審査申請もできない状態が続き、一部の金融機関が10月の借り換えに難色を示していた。
安全審査には半年程度かかるため、今年度内の再稼働は見込めないが、東電の広瀬直己社長は設備改修の先送りなどで今年度は黒字化できるとの見通しを示している。
東電は12月にも三井住友銀や日本政策投資銀行などから3000億円の新規融資を受ける予定で、10月の借り換えはその前提だった。【高橋慶浩】